ハルピンナ

ハルピンナについて

ハルピンナ（古希: Άρπιννα, Harpinna）、またはハルピナ（古希: Άρπινα, Harpina）は、ギリシア神話に登場する女性キャラクターであり、河神アーソーポスと関連付けられています。彼女は軍神アレースとの関係を持ち、エーリス地方の王オイノマオスを生み出した存在として知られています。

系譜と家族

ハルピンナの系図に関しては、古代の著述家パウサニアスとシケリアのディオドーロスの記録によると、彼女は河神アーソーポスの娘であるとされています。ただし、ディオドーロスの記述では、アーソーポスとメトーペーの間に生まれた12人の娘の中にハルピンナの名前は含まれていません。この点において、彼女の正確な血統や役割については議論があります。

パウサニアスによると、プリーウス市の住民たちは、オリンピアのゼウス神殿に奉納された彫像群の中に、ハルピンナの像を含めていました。このことで、彼女の存在がどれだけ重要視されていたかが伺えます。

ハルピナ市の設立

ハルピンナの名は、オイノマオスによって設立されたハルピナ市にも関連しています。この市は、アルペイオス河の支流であるハルピナテース河畔に位置し、オイノマオス自身の母の名前を取って名付けられました。また、オイノマオスはアレースから授かった2頭の神秘的な馬の中に、ハルピンナと同じ名前の馬をもっていました。この馬は彼にとって特別な意味を持ち、彼の伝説的な物語をさらに色濃くする要素となっています。

文献と研究

ハルピンナに関する詳細な情報は、パウサニアスやディオドーロスなどの古典文献に記述されています。また、彼女を題材にした研究や文献も多数存在し、特に女性神話に関する議論が展開されています。以下は、彼女に関する参考文献の一部です。

• - ディオドロス『神代地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎（1999年）
• - パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎（1991年）
• - 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店（1960年）
• - ジョルジュ・ドゥヴルー『女性と神話 ギリシア神話にみる両性具有』加藤康子訳、新評論（1994年）

以上の文献を通じて、ハルピンナの神話的背景や彼女が持つ意味について、より深く理解を深めることができます。ギリシア神話における彼女の位置づけは、多様な価値観やテーマを反映しており、今なお多くの人々に影響を与えています。

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