アーソーポス

アーソーポスの神話と系譜

アーソーポス（古希: Ἀσωπός, Āsōpos）は、ギリシア神話に登場する河神で、彼に名付けられた河がボイオーティア地方やシキュオーンに存在します。アーソーポスは、オーケアノスとテーテュース、またはペーローとポセイドーン、さらにはゼウスとエウリュノメーの子供とされています。いずれにせよ、彼は河の神として重要な存在です。アーソーポス河の発見には、他の神々も関連しており、神話には多くのエピソードがあります。

アーソーポスの子供たちについては、シケリアの歴史家ディオドーロスによると、彼は河神ラードーンの娘メトーペーとの間に2人の息子（ペラスゴス、イスメーノス）と12人の娘（コルキューラ、サラミース、ペイレーネー、クレオーネー、タナグラ、テスペイア、アーソーピス、シノーペー、オルニス、カルキス、アイギーナ、テーベー）をもうけたとされています。また、アポロドーロスによる記録では2人の息子（ペラゴーン、イスメーノス）と20人の娘たちが言及されています。

アーソーポス河

シキュオーンのアーソーポス河は、ケールーサとポセイドーンによって発見された伝説があり、河の名前はそこから由来しているとされます。さらにこの河は、小アジアのマイアンドロス河の水が海を越えて流れ込んで形成されたとも言われています。また、マルシュアースの笛がマイアンドロスからアーソーポス河へと流れ込んだという神話もあります。

ボイオーティア地方のアーソーポス河に関しては、その名はこの地方の王もしくは神であるアーソーポスに由来しています。彼の名前は二つの河に結びついていますが、その伝説において多くの物語が語られています。

子供たちとその物語

アーソーポスの娘の中で最も有名なのは、ゼウスに誘拐されたアイギーナです。アーソーポスは彼女を探しにコリントスへ行き、アクロコリントスに泉を出させることでシーシュポスからアイギーナの居場所を教えてもらいます。しかしアーソーポスがアイギーナを追いかけると、ゼウスはアーソーポスに雷を投げつけて彼を河に戻すというエピソードが語られています。このため、アーソーポス河からは石炭が取れるとも言われ、アイギーナは後にゼウスとの間にアイアコスという子を生みます。

アーソーポスの他の娘たちも各地に名を残しています。例えば、コルキューラはコルキューラ島、クレオーネーはクレオーナイ市、ネメアーはネメアー市、プラタイアはボイオーティア地方のプラタイア市に由来しています。テスペイア（テスピア）はテスピアイ市と結びついています。

また、アーソーポスの他の娘たち、例えばアンティオペーはゼートスとアムピーオーンの母であり、イスメーネーは百目巨人アルゴスの母とされることもあります。さらに、家系は他にエウアドネーやエウボイアなどの村や地域に関係する名も持っています。

総括

アーソーポスは、神話や河の生態系の奥深さに密接に結びついた存在であり、その名は多くの地域や物語に色濃く残り続けています。彼の子供たちもそれぞれ特有の神話を持ち、後世の文化や地域のアイデンティティにも影響を与えています。このようにアーソーポスは単なる河の神ではなく、ギリシャ神話の中で重要な役割を果たしているのです。

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