ハルモニア この愛の涯て

『ハルモニア この愛の涯て』

1998年から放送された日本テレビのドラマ『ハルモニア この愛の涯て』は、音楽と人間ドラマが交錯する物語でした。この作品は、篠田節子の直木賞受賞作『女たちのジハード』を原作にしたもので、主人公の年齢が変更され、より若い設定になっています。全9話から成るこのドラマは、1999年にVHS形式での全5巻がリリースされていますが、DVDやBlu-rayとしての販売は行われていないのが現状です。

あらすじ

物語の中心となるのは、音楽大学でチェロを学ぶ若者、東野秀行（堂本光一）です。秀行は早くに両親を失い、心臓病を患う弟・健二（大坂俊介）と二人三脚で生活を支え合っています。彼らの生活は、秀行の両親の友人で大学教授の山岡（伊武雅刀）が助けており、彼は秀行にもアルバイトをすることを勧めます。

秀行は、自身の才能を活かせるアルバイトとしてリゾート施設「泉の里」のチェロ講師としての仕事に応募します。しかし、そこで待っていたのは、社会から隔離された精神病患者たちが暮らす閉鎖施設でした。秀行が担当することになったのは、ウエルニッケ不全症候群という病に悩む女性、由希（中谷美紀）です。彼女は言葉を話し理解することが難しい状況にいて、秀行はそのためにチェロを教えることになります。

練習が進むにつれて、彼を取り巻く環境で奇妙な事故が頻発します。これらの出来事は、次第に由希が何らかの形で関係していることが明らかになっていきます。彼女との交流を通じて、秀行は音楽の力と人間の心の奥深さに触れると同時に、由希の過去や傷を知ることになります。

キャスト

東野秀行 - 堂本光一（KinKi Kids）
浅羽由希 - 中谷美紀
山岡保子 - 矢田亜希子
東野健志 - 大坂俊介（ジャニーズJr.）
ナオキ - 松山幸次
リナ - 瀬戸カトリーヌ
池田山指導員 - 市川勉
中沢幸一 - 深水三章
深谷規子 - 手塚理美
山岡将雄 - 伊武雅刀

このドラマでは、キャストが持つ独自の演技が物語の深みを増しています。特に、主人公の秀行と由希との間に芽生える心の絆が強く描かれており、視聴者は彼らの感情の波に引き込まれます。

スタッフ

ドラマの脚本は小原信治と久松真一が担当し、監督には堤幸彦と倉田貴也が名を連ねています。音楽は見岳章が手掛け、主題歌は少年隊の「愛と沈黙」が使用され、物語の切なさを一層引き立てています。

受賞歴

本作は、第18回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で中谷美紀が主演女優賞を受賞し、さらには撮影賞も獲得しています。このように、プロデューサーやスタッフの尽力とキャストの素晴らしい演技が相まって、多くの視聴者に愛される作品となりました。

『ハルモニア この愛の涯て』は、心に響く音楽と繊細な人間関係を探求したドラマで、視聴者に強い印象を残しています。

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