ハルリンドウ

ハルリンドウ（春竜胆 Gentiana thunbergii）は、リンドウ科リンドウ属に分類される冬型の一年草です。草丈は10cmほどと、リンドウの仲間の中では小型であることが特徴です。

特徴

ハルリンドウは、地面にロゼット状に広がる根生葉を持ちます。根生葉は披針形で、長さは5mmから1cm程度です。花期は3月から5月で、根生葉の中から花茎を伸ばし、その先端に紫色の花を咲かせます。花冠は漏斗状で、長さは2cmから3cm程度です。ハルリンドウの花は、日光が当たると開き、夕方になると閉じるという性質を持っています。

ハルリンドウは、近縁種のフデリンドウとよく似ていますが、フデリンドウは根生葉が小さく、ロゼット状にならないことで区別できます。また、コケリンドウにも似ていますが、コケリンドウはがく片が反り返るのに対し、ハルリンドウは反り返らないことで区別できます。

分布と生育環境

ハルリンドウは、本州、四国、九州の日当たりの良いやや湿った山野や湿地に自生します。群生して生えることが多く見られます。

変種

タテヤマリンドウ（立山竜胆 Gentiana thunbergii var. minor）は、ハルリンドウの高山型の変種です。北海道から中部地方以北の高山に分布し、花期は5月から7月です。全体的にハルリンドウよりも若干小さいのが特徴です。

近縁種

ハルリンドウの近縁種としては、以下のものが挙げられます。

フデリンドウ（筆竜胆 Gentiana zollingeri）
コケリンドウ（苔竜胆 G. squarrosa）
ミヤマリンドウ（深山竜胆 G. nipponica*）

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