リンドウ科

リンドウ科 (Gentianaceae) の解説

リンドウ科は、リンドウ目に属する双子葉[[植物]]の科であり、世界中の様々な環境に適応して分布しています。一年草または多年草で、地下茎が肥大するものも存在します。クロンキスト体系ではマチン科に分類されていた一部の木本植物も、APG体系ではリンドウ科に含められることになり、木本種も存在するようになりました。

特徴

葉は鋸歯がなく、対生する特徴があります。日本にも多くの自生種があり、リンドウやトルコギキョウのように観賞用として栽培されるものや、リンドウやセンブリのように薬草として利用されるものもあります。

科の名前は、西洋でリンドウの薬効を初めて発見したとされる古代イリュリアの王、ゲンティウス（Gentius）に由来しています。

日本には10属約30種が分布しています。

分類

リンドウ科には約90属1700種が分類されており、その中でリンドウ属が約400種と最も多くの種を含んでいます。

以下にリンドウ科の下位分類を示します。

Saccifolieae: 4属19種
Exaceae: 8属165種
ベニヒメリンドウ属 Exacum - ベニヒメリンドウ (E. affine) など
Chironieae: 23属159種
ブラクストニア属 Blackstonia - ブラクストニア・ペルフォリアタ (B. perfoliata)
ベニバナセンブリ属 Centaurium - ベニバナセンブリ、ケンタウリウム・プルケルム (C. pulchellum)
トルコギキョウ属 Eustoma - トルコギキョウ
サバティア属 Sabatia - サバティア・アングラリス (S. angularis)
シマセンブリ属 Schenkia - シマセンブリ (S. japonica)
Potalieae: 13属154種
Anthocleista - A. grandiflora
モクベンケイ属 Fagraea - オオバフアガレア (F. auriculata)、ゴムミカズラ (F. ceilanica)、テンブス (F. fragrans) など
Lisianthius - リシアンティウス・ニグレセンス (L. nigrescens)、リシアンティウス・ウムベラーツス (L. umbellatus)
Helieae: 22属205種（新熱帯に分布）
リンドウ連 (Gentianeae): 17属950種
Gentianinae: 3属400種
ツル[[リンドウ]]属 Tripterospermum - ツル[[リンドウ]]
リンドウ属 Gentiana - フデリンドウ、ハル[[リンドウ]]、タテヤマ[[リンドウ]]、トウヤク[[リンドウ]]、リンドウ、オヤマ[[リンドウ]]など
シロウマリンドウ属 Gentianopsis - シロウマリンドウおよびその変種アカイシリンドウ (G. yabei var. akaisiensis)、チチブリンドウ (G. contorta) など30種
Swertiinae: 14属550種
サンプクリンドウ属 Comastoma
ハナイカリ属 Halenia - ハナイカリ
ヒメセンブリ属 Lomatogonium
ヒメセンブリ（八ヶ岳、南アルプスに希）
ホソバノツル[[リンドウ]]属 Pterygocalyx - ホソバノツル[[リンドウ]]
センブリ属 Swertia - アケボノソウ、ミヤマアケボノソウ、ヘツカリンドウ (S. tashiroi)、イヌセンブリ (S. tosaensis)、センブリなど
Frasera属 - Frasera ackermaniae、Frasera albicaulis、Frasera albomarginata 、Frasera speciosa、Frasera tubulosa 、Frasera umquawensis など
incertae sedis (所属不明)
Voyria - 19種。中南米・アフリカに分布する腐生植物で、葉緑体を持たない。

系統

リンドウ科の系統は、Yuan et al.(2003)によって研究されています。

補足

以前はリンドウ科に分類されていたアサザやミツガシワを含むミツガシワ科は、現在では別系統とされています。

参考文献

清水建美、門田裕一、木原浩『高山に咲く花』（増補改訂新版）山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑8〉、2014年3月22日。ISBN 978-4635070300。
佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本Ⅲ合弁花類』平凡社、1981年10月。ISBN 4582535038。

外部リンク

日本のレッドデータ検索システム・リンドウ科 - エンビジョン環境保全事務局

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