ハワイ (競走馬)

ハワイ - 南アフリカとアメリカを舞台に活躍した名馬

1964年、南アフリカのプラットベルク牧場にて誕生した競走馬、ハワイ。その血統は、イタリア産の名馬ユトリロと、優れた繁殖能力を持つエタンという、まさに名門の系譜を受け継いでいました。幼少期から恵まれた体格で知られ、1歳時にはランドショウの品評会で優勝、高額で競り落とされるなど、早くからその才能を高く評価されていました。

南アフリカでの輝かしい戦績

南アフリカでジョージ・アッツィー調教師のもとで競走生活を始めると、デビュー戦から圧勝。7馬身差、8馬身差と圧倒的な強さで勝ち星を重ねました。距離が伸びるにつれてやや不安定な面も見せましたが、3歳時には南アフリカ3州のギニーレース（ロイヤルリザーブギニー、ケープギニー、サウスアフリカンギニー）を全て制覇するという偉業を達成、いわゆる「ゴールデンマイル三冠」を達成しました。これは南アフリカ競馬において、ダービーよりも格上のレースとされています。ダービーは回避しており、距離への不安が垣間見えます。

その後も活躍を続け、ロスマンズジュライでは4着、チャンピオンステークスでは兄ウィリアムペンに敗れるなど、距離の限界も見えてきましたが、18戦15勝という輝かしい戦績を残しました。

アメリカでの挑戦と成功

南アフリカでの活躍を受け、ハワイはアメリカへと渡りました。しかし、長旅と環境の変化、そして厳しい検疫の影響で体調を崩し、アメリカでの初戦は8ヶ月後となりました。

それでも、初戦から圧勝で復活を遂げると、主要レースであるスターズ＆ストライプスハンデキャップ、バーナードバルークハンデキャップ、ユナイテッドネーションズ招待ハンデキャップ、サンライズハンデキャップなどで勝利。マンノウォーステークスでは逃げ馬を交わして圧勝するなど、アメリカでもその実力を証明しました。最終戦となったワシントンD.C.インターナショナルでは惜しくも敗れましたが、その年の活躍が評価され、全米芝チャンピオンに選出される栄誉に輝きました。アメリカでは10戦6勝という成績を残しました。

種牡馬としての成功

引退後はアメリカで種牡馬となり、その才能は繁殖の世界でも開花しました。代表的な産駒として、イギリスのクラシックレースであるエプソムダービーを制したヘンビットが挙げられます。他にも多くの活躍馬を輩出し、日本にも産駒が輸入されています。

まとめ

ハワイは、南アフリカとアメリカという異なる環境で活躍し、その強さと適応能力を見せつけた、まさに伝説的名馬と言えるでしょう。短距離から中距離にかけてのスピードと、高い競争心を持ち合わせたハワイは、今も多くの競馬ファンの記憶に深く刻まれています。その血統は、現代競馬にも影響を与え続けています。

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