ハンス・アーペル

ハンス・エーベルハルト・アーペルは、1932年2月25日にハンブルクで生まれ、2011年9月6日に亡くなったドイツの政治家です。ドイツ社会民主党（SPD）に所属し、西ドイツにおいて重要な役職を歴任しました。

生い立ちと学歴

アーペルはハンブルクでアビトゥーアに合格後、貿易取引の修業を終えました。その後、ハンブルク大学で経済学を専攻し、1960年に政治学博士号を取得しました。1956年には結婚し、2人の子供をもうけました。

政界での活動

1958年から1961年まで、アーペルはストラスブールにある欧州議会で欧州社会党議員団の秘書を務めました。1962年からは欧州議会に勤務し、経済・財政部長、交通政策部長を歴任しました。1955年にはSPDに入党し、1965年にドイツ連邦議会に初当選。1990年まで議席を維持しました。また、1965年から1970年までは欧州議会議員も兼任しました。

1969年から1972年まで、アーペルはSPDの連邦議会議員団副団長を務め、1970年には党連邦代表委員会入りを果たしました。1969年から1972年までは連邦議会交通・郵政通信委員会委員長も務めました。

1972年、アーペルは外務政務次官（欧州問題担当）に就任。1974年にはヘルムート・シュミット内閣で財務相として初入閣しました。1978年2月の内閣改造で国防相に転じ、シュミット内閣が倒閣される1982年10月まで務めました。1983年には連邦議会議員団副団長に復帰し、1984年から1986年まで党連邦執行部に属しました。

1985年にはベルリン市長選挙にSPDの候補として立候補しましたが、現職のエーベルハルト・ディープゲン市長に敗れました。1990年に連邦議会を離れ、政界を引退しました。

晩年の活動

1993年、アーペルはロストック大学経済学部で名誉教授となりました。ルター派内の保守派に属していたアーペルは、ドイツ福音主義教会の現代的な信仰を批判した著書『国民無き国民教会』を2003年に出版。2004年にはワルター・キュネット賞を受賞しました。1999年にはノルトエルビエン福音ルター派教会から離脱し、独立福音ルター派教会に加入しました。

2008年には自身を右傾化したと批判した反ネオナチ団体の代表を名誉毀損で告発しましたが、審理入り直前に取り下げました。2009年には同性愛者の権利拡大に反対する声明に署名しています。

アーペルは、79歳で亡くなるまで、その政治的、宗教的な信念を貫き通しました。

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