ハンス＝ルドルフ・レーズィンク

ハンス＝ルドルフ・レーズィンク：Uボートのエースから連邦海軍の少将へ

ハンス＝ルドルフ・レーズィンク（1905年9月28日 - 2004年12月16日）は、ドイツの海軍士官であり、第二次世界大戦中にUボート艦長として名を馳せ、戦後にはドイツ連邦海軍の少将にまで昇進した人物です。

生い立ちと初期の軍歴

レーズィンクは、ドイツ帝国海軍の中将であったベルンハルト・レーズィンクを父として、ヴィルヘルムスハーフェンで生まれました。1924年3月に海軍に入隊し、軽巡洋艦「ニュムフェ」や「ケーニヒスベルク」での勤務を経て、1930年から1931年にかけては、ヴェルサイユ条約で潜水艦保有を禁じられていたドイツ海軍が、密かに外国の潜水艦に士官を乗り組ませるという極秘作戦に参加しました。

第二次世界大戦での活躍

1933年10月には潜水艦防衛学校へ転属し、1935年9月には新造艦「U 11」の最初の艦長に任命されました。その後、「U 36」の艦長を経て、1938年12月には第5潜水隊群司令に任じられました。1940年1月には第7潜水戦隊の指揮を託され、ヘルベルト・シュルツェ大尉の病気療養に伴い、「U 48」の艦長となります。

「U 48」艦長として、レーズィンクは2回の哨戒で約61,000総トンの船舶を撃沈し、その功績により騎士鉄十字章を授与されました。1940年9月から1941年2月までは、ドイツ海軍の連絡将校として、ボルドーに展開するイタリア海軍の潜水戦隊に勤務。その後、潜水艦隊司令長官の参謀本部での勤務や第3潜水戦隊の指揮を経て、1942年7月には西部潜水艦隊司令に就任し、フランス沿岸に配備された全てのUボートを統括する立場となりました。1944年の秋にはノルウェーに異動しましたが、引き続き同職を務めました。

戦後の軍歴と功績

ドイツ降伏後、レーズィンクは連合国の捕虜として1年以上を過ごしました。釈放後は、アメリカ海軍の戦史編纂に協力。1952年からは、連邦国防省の前身組織であるブランク機関に勤務し、1956年に新設されたドイツ連邦海軍に入隊しました。准将の階級で北海管区司令官に就任し、4年以上の勤務を経て、少将に昇進する直前の1962年4月に退役しました。1965年9月には完全に軍を退き、翌年にはその功績が認められ、ドイツ連邦共和国功労勲章の大十字章を受章しました。

その他の活動

レーズィンクは、長年にわたりドイツ海上スポーツ協会ハンザのメンバーとして活動し、ヨットスクールの校長代理を務めました。また、ドキュメンタリー番組への出演や、翻訳家、著述家としても活動しました。

軍における階級

1925年4月1日：海軍士官候補生
1926年6月1日：准尉
1928年5月1日：上級准尉
1928年10月1日：少尉
1930年4月1日：中尉
1935年4月1日：大尉
1939年7月1日：少佐
1943年2月1日：中佐
1943年3月1日：大佐
1961年7月27日：准将
1962年11月13日：少将

受章

1940年2月13日：第2級鉄十字章
1940年7月3日：第1級鉄十字章
1940年8月26日：騎士鉄十字章
1941年11月1日：イタリア王国剣付き戦功十字章
1941年11月1日：イタリア王冠勲章コムトゥア章
* 1966年3月8日：ドイツ連邦共和国功労勲章大十字章

ハンス＝ルドルフ・レーズィンクは、第二次世界大戦におけるUボートのエースとしてだけでなく、戦後のドイツ連邦海軍の発展にも貢献した人物として、その名が記憶されるでしょう。

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