ハンター (駆逐艦・2代)

HMSハンター(H35)の概要

HMSハンター(HMS Hunter, H35)は、イギリス海軍が運用したH級駆逐艦の一隻です。スワン・ハンター社で建造され、1935年3月26日に起工、1936年2月25日に進水、同年9月20日に就役しました。

艦歴

就役後、ハンターは同型艦とともに地中海の第2駆逐艦戦隊に配属されました。スペイン内戦中の1937年5月13日、地中海沿岸での哨戒中に浮遊機雷に接触し、深刻な損傷を受けました。爆発により船体両舷に亀裂が生じ、船体は切断寸前の状態となりました。自力航行が不可能となったハンターは、巡洋艦アリシューザに曳航されジブラルタルへ入港、応急処置の後マルタへ回航され修理が行われました。

1940年初頭、第2駆逐艦戦隊はイギリス本国へ呼び戻されました。同年4月、ドイツ軍がヴェーザー演習作戦を発動し、ナルヴィクにも駆逐艦からドイツ軍が上陸しました。これに対し、ハンターを含むイギリス駆逐艦隊はオフォトフィヨルドの封鎖に向かいました。

第一次ナルヴィク海戦と最期

1940年4月10日、ハンターは第一次ナルヴィク海戦に参加しました。この海戦で、イギリス駆逐艦隊はナルヴィク港内にいたドイツ駆逐艦アントン・シュミットとヴィルヘルム・ハイドカンプを撃沈しました。しかし、撤退中にドイツ駆逐艦ゲオルク・ティーレとベルント・フォン・アルニムとの間で交戦が発生しました。この交戦でハンターは被弾炎上し、さらに駆逐艦ホットスパーがハンターに衝突しました。この結果、ハンターは1940年4月10日午前5時30分に沈没しました。

その後

2008年3月8日、オフォトフィヨルドの海底でハンターの船体が発見されました。この発見により、ハンターの最期がより明確なものとなりました。

まとめ

HMSハンターは、その短い生涯の中で、数々の激戦に参加しました。スペイン内戦での機雷接触による損傷、そして第二次世界大戦初期のナルヴィク海戦での壮絶な戦いと沈没は、この駆逐艦の歴史を物語っています。ハンターの存在は、第二次世界大戦初期におけるイギリス海軍の苦戦と、勇敢な戦いを象徴する出来事の一つと言えるでしょう。

関連項目

第二次世界大戦中のイギリス海軍の喪失艦一覧

参考文献

M. J. Whitley: Destroyers of World War Two, Arms and Armour Press, London 1988 ISBN 0853689105
岡田幸和『艦艇工学入門』1997年、海人社

外部リンク

Chronik Seekrieg 1939-1945

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