ハンターズポイント・アベニュー駅

ハンターズポイント・アベニュー駅（Hunterspoint Avenue）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区のロングアイランドシティに位置する、ロングアイランド鉄道（LIRR）の駅です。LIRRの運賃体系における「シティターミナルゾーン」に含められており、運賃区分はゾーン1に設定されています。クイーンズ区西部に位置するこの駅は、都心に比較的近い場所にありながら、独自の利用特性を持っています。

運行形態と利用状況

当駅を発着する列車の運行本数は、LIRRの他の主要駅と比較すると少ない傾向にあります。利用客の多くは、平日の通勤・通学時間帯であるラッシュアワーに集中しています。朝の通勤ラッシュ時にはジャマイカ駅方面へ向かう列車が、そして夕方の帰宅ラッシュ時にはロングアイランドシティ駅方面へ向かう列車が多く運行され、駅が賑わいを見せます。ラッシュアワー以外の時間帯や週末は運行がないか、極めて限られた本数となります。多くの列車は、当駅で折り返すことなく、隣のロングアイランドシティ駅まで運行されます。特筆すべき点として、午後遅い時間帯に当駅を始発とするロンコンコマ行きの列車が1本のみ設定されています。

また、ハンターズポイント・アベニュー駅を発着する列車のほぼ全てが、イースト川トンネルの運行上の制約により、電気でなくディーゼルを動力とする車両です。しかしながら、駅構内および周辺区間は電化されており、技術的には電車（電気車両）が運行することも可能な環境です。

利用可能な路線

ハンターズポイント・アベニュー駅には、ロングアイランド鉄道の主要幹線である本線が乗り入れています。本線を経由することで、以下のLIRRの主要な支線からの列車も利用することができます。

オイスターベイ支線：ミネオラ駅で本線に合流します。
モントーク支線：バビロン支線またはセントラル支線を経由して本線に乗り入れます。
ポートジェファーソン支線：ヒックスヴィル駅で本線に合流します。

本線における当駅の隣接駅は以下の通りです。

ロングアイランドシティ駅 - ハンターズポイント・アベニュー駅 - ジャマイカ駅

駅構造

駅は地上駅であり、島式ホームを1面有し、その両側に合計2線の線路が敷設されています。このホームは、最大10両編成の列車が停車できる十分な有効長を備えています。駅の地上へのアクセスは、駅の名称にも冠されている49番街（Hunterspoint Avenue）に直接つながる階段が2箇所に設けられています。これらの階段を利用して、乗客はホームと街路を行き来します。

歴史

ハンターズポイント・アベニュー駅は、19世紀半ばにその歴史をスタートさせました。

1860年8月: 最初の駅が開業しました。これが現在の駅のルーツとなります。
1863年: ニューヨーク・アンド・フラッシング鉄道が、近くの場所に独自の「ハンターズポイント駅」を開設しています。
1878年4月: ロングアイランド鉄道によって、駅の改良工事、すなわち改築が実施されました。
1902年12月: 残念ながら、駅舎が火災に見舞われ焼失してしまいました。
1903年4月26日: 焼失からわずか数ヶ月で、駅舎は再建されました。
1910年 6月16日: 鉄道の近代化の一環として、直流750ボルトによる第三軌条方式での電化が完了しました。
1912年: 再建から間もなく、再び駅の改築が行われることになりました。
1914年10月18日: 改築工事を終えた駅が営業を再開しました。興味深いことに、当時のニューヨーク・タイムズ紙の1914年5月の報道では、駅の再開は同年7月1日が予定されていたと伝えられています。
1947年6月: 平日限定で、当駅を始発とする東方向への列車が2本（ジャマイカ行きとクイーンズ・ビレッジ行き）新たに設定されました。これは、当駅が単なる通過駅ではなく、一部列車の始発駅としての役割も担っていた時期があったことを示しています。
* 1951年: 前述の当駅始発列車は廃止され、以降は現在の、主にロングアイランドシティ駅とジャマイカ駅を結ぶ列車が停車する形態が確立されました。

このように、ハンターズポイント・アベニュー駅は、開業以来、火災からの再建、電化、改築、そして運行形態の変化といった様々な歴史的な出来事を経て、現在の姿に至っています。クイーンズ区におけるLIRRの歴史を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。

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