ハンドレページ H.P.42

ハンドレページ H.P.42とH.P.45

ハンドレページ H.P.42（Handley Page H.P.42）およびH.P.45は、イギリスのハンドレページ社によって1928年に設計された、4発の長距離複葉旅客機です。これらの機体は、インペリアル・エアウェイズの要望に基づいて製造され、合計8機（各型4機）が生産されました。

概要

H.P.42およびH.P.45は、特にインペリアル・エアウェイズの陸上大型旅客機として知られ、同社の飛行艇の一部としても有名です。機体の名称は、ハンドレページ社内の識別符号であり、当時は一般に知られていませんでした。H.P.42は主に東方の航路向けに設計され、H.P.45はヨーロッパ航路のために特化されたモデルです。これらの機体は、第二次世界大戦の勃発に伴いイギリス空軍に徴用されましたが、その間、民間航空においては大きな事故を起こすことなく運行され、全機が戦争前に事故などにより失われましたが、民間の輸送業務を全うしました。

設計と特徴

H.P.42は、特異な上下翼デザインが特徴の大型複葉機であり、翼の広さが異なる独自の構造を持っています。この機体は全金属製の主翼と尾翼を持ち、布張りの部分は後部と尾翼に限られています。エンジンは、H.P.42が4基の490馬力のブリストル ジュピターXIFエンジンを搭載しているのに対し、H.P.45は555馬力のスーパーチャージャー付きブリストル ジュピターXFBMエンジンを4基搭載しており、エンジン配置に特徴があります。

乗客室は、翼の前後にそれぞれ配置され、H.P.42では前方に最大12名、後方に12名の乗客が収容可能でした。一方、H.P.45は同様の配置ながら前方に18名、後方に20名を運ぶことができ、手荷物室は縮小されました。

運用歴

初飛行は1930年11月14日に行われ、商業飛行のための耐空証明は1931年5月に取得されました。その後、1931年6月11日に向けたパリ行きの便で営業運行が開始され、ハンドレページH.P.42は1939年9月1日に民間航空輸送から引退するまでの間、ほぼ10年間のサービスを果たしました。

個別機体の履歴

H.P.42（H.P.42E）

• - G-AAGX「ハンニバル」号: 1930年11月に初飛行し、1940年に失われました。
• - G-AAUC「ホルサ」号: 初飛行は1931年9月で、1940年に不時着し焼失。
• - G-AAUD「ハンノ」号: 1931年7月に初飛行し、1940年の事故で損傷。
• - G-AAUE「ハドリアン」号: 1931年6月に初飛行、1940年12月に事故で壊滅。

H.P.45（H.P.42W）

• - G-AAXC「ヘラクレス」号: 1931年8月に初飛行したが、1940年に事故により失われました。
• - G-AAXD「ホラティウス」号: 1931年11月に初飛行した後、1940年に破壊されました。
• - G-AAXE「ヘンギスト」号: グライダーの火災で失われた機体。
• - G-AAXF「ヘレナ」号: 1940年に着陸事故で廃棄処分になりました。

まとめ

ハンドレページ H.P.42およびH.P.45は、イギリスの航空史において重要な位置を占めている旅客機です。この機体群は、設計と運用において独自の特徴を持っており、長距離運航に対応する複葉機としての役割を果たしました。彼らの設計と運用は、航空業界の進展を象徴するものであり、今日まで語り継がれています。

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