ハート・リング健康Radio〜認知症と手をつなごう〜

「ハート・リング健康Radio〜認知症と手をつなごう〜」（ハート・リングけんこうラジオにんちしょうとてをつなごう）は、文化放送が制作・放送するラジオ番組です。2015年 7月5日にスタートし、認知症に関する幅広い情報をリスナーに提供しています。

番組の概要と目的

この番組は、認知症を取り巻く現状や、認知症に関する専門的な知識を分かりやすく解説することを主な内容としています。認知症に関わる様々な分野の専門家や有識者を毎回ゲストに招き、彼らの視点から認知症について深く掘り下げていきます。その目的は、リスナーが認知症を正しく理解し、認知症を持つ方々とより良く関わるためのヒントを得ること、そして自分自身や家族の将来について考えるきっかけを提供することにあります。単に介護や治療に限定せず、多角的な視点から認知症を捉え、関連する多様な情報発信に努めています。

番組の提供はロッテ一社ですが、提供クレジットでは「ロッテ噛むこと研究室」名義で紹介されるという特徴があります。

前身番組とその背景

文化放送では、本番組が始まる以前から、リスナーに対して認知症への関心を深めてもらうための取り組みを進めていました。その流れの中で、本番組の直接的な前身にあたる番組「カイゴとエガオ〜認知症をあきらめない〜」が2013年7月から放送されていました。当時の文化放送アナウンサーであった吉田涙子がパーソナリティを務め、認知症の介護や治療に特化した内容で、医師などの専門家をゲストに招き、様々な情報を提供していました。

しかし、この番組は提供スポンサーだった製薬メーカーが不祥事を起こした影響で、2013年12月末をもって終了せざるを得ませんでした。

また、「カイゴとエガオ」が開始されるまでの期間には、別の番組計画が白紙になるという出来事もありました。2009年4月から放送されていた吉田涙子アナと竹内靖夫アナが司会を務める番組「バンブー・涙子のそんぽのホント」が2013年3月に終了した後、その時間帯の後継番組として、当時文化放送アナウンサーの石田絵里奈を司会に迎えた認知症テーマの健康情報番組が企画されていました。しかし、石田アナが同年3月末でアナウンサー職を引退し文化放送を退社したため、この計画は実現しませんでした。そのため、「カイゴとエガオ」が始まるまでの約3ヶ月間は、代わりに別の番組が放送されることとなりました。

パーソナリティの変遷と放送時間の変化

「ハート・リング健康Radio」は、前身番組の吉田涙子アナから引き継ぎ、放送開始時は当時の文化放送アナウンサーである伊藤佳子がパーソナリティを担当しました。伊藤アナは2015年7月の番組スタートから約1年4ヶ月にわたり務めましたが、2016年10月にアナウンス部から報道スポーツセンターへ異動したため、同年11月からは後任として当時の文化放送アナウンサー、石川真紀が担当しました。

石川アナは2022年3月27日の放送までパーソナリティを務め、その約3ヶ月後の6月末に文化放送を退職しました。そして、2022年4月3日からは、現在のパーソナリティである文化放送アナウンサーの鈴木純子がマイクを引き継いでいます。また、番組開始から2016年3月にかけては、福祉ジャーナリストの町永俊雄が不定期でレギュラー出演していました。

放送時間については、開始当初から2023年3月26日までは毎週日曜日の17時40分から17時50分までの10分間でした。しかし、その直前の番組編成が変更された影響を受け、2023年4月2日からは放送時間が5分後ろにずれ込み、毎週日曜日の17時45分から17時55分に変更され、現在に至ります。

リスナーからの意見や感想を番組に寄せるためのコーナーも2016年4月より設けられ、寄せられた声の一部は公式サイトでも紹介されていました。番組は、認知症に関する正確な情報を提供しつつ、リスナーが主体的に考え、行動するためのサポート役を果たしています。

本番組は、文化放送が長年取り組んできた認知症への理解促進活動の一環として、その内容を深化・発展させたものであり、多くの人にとって認知症を身近な問題として捉え、向き合うための重要な役割を果たしています。認知症の当事者やその家族だけでなく、誰もが知っておくべき情報を丁寧に伝えることで、共生社会の実現に貢献することを目指しています。

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