ハーバード大学天文台

ハーバード大学天文台（Harvard College Observatory, HCO）は、ハーバード大学天文学部が運営する研究機関であり、天体観測のための施設と設備を管理しています。アメリカ、マサチューセッツ州ケンブリッジに位置し、1839年に創設されました。現在は、スミソニアン天体物理観測所と共同で、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターを構成しています。

歴史

ハーバード大学は1839年、ウィリアム・クランチ・ボンドを無給の「大学天文観測者」に任命しました。その後、大学天文台の建設が決定し、1847年には口径15インチの望遠鏡が設置されました。

1847年から1852年の間、ボンドと写真術の先駆者であるジョン・アダムス・ウィップルは、この大屈折望遠鏡を用いて月面の写真撮影に挑みました。当時、アメリカ最大の口径を誇ったこの望遠鏡で撮影された月面写真は、ロンドンの万国博覧会で展示され、賞を受賞しました。また、1850年7月16日には、史上初めて恒星（ヴェガ）の写真撮影に成功しました。

ハーバード大学天文台は、天文学の歴史において重要な恒星のスペクトル分類による星表作成において重要な役割を果たしました。このプロジェクトには、アニー・ジャンプ・キャノン、ヘンリエッタ・スワン・リービット、セシリア・ペイン＝ガポーシュキンなど、多くの女性天文学者が携わりました。キャノンとリービットは、当初は恒星写真を調べる計算手として雇用されましたが、後に各自で重要な研究を進めました。

1908年には、視等級6.5等星よりも明るい恒星をまとめた輝星星表を発表しました。この星表は後にイェール輝星星表（Yale Bright Star Catalogue）として改訂が続けられています。

その他の情報

ハーバード大学天文台は、天文学の研究と教育において重要な役割を果たし続けています。その歴史的な功績は、天文学の発展に大きく貢献しており、現在も多くの研究者が観測や研究活動に携わっています。

外部リンク

Harvard College Observatory（英語版）

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