ハーボーン

ハーボーン (Harborne)

ハーボーンはイングランドのバーミンガムから南西へ約5キロメートルのところにある地区です。この地域はバーミンガム市のエジバストン行政区の一部であり、バーミンガム・エジバストン選挙区に属しています。

地歴

ハーボーンはヴィクトリア朝時代に発展した郊外で、19世紀から20世紀初頭にかけて多くの住宅が建設されました。歴史的には、「ハーボーン・ビレッジ」という一角が地元住民に親しまれており、この中心にはセント・ピーター教会が存在します。この教会は、サクソン時代のメルシアのチャドが説教を行ったとされる場所であり、14世紀に再建された塔が特徴です。

また、近くのメッチリー・パークには、古代ローマ時代に築かれた砦の遺跡が残されています。文献での最古の記録は1086年のドゥームズデイ・ブックに見られますが、集落自体はそれ以前から存在しています。

ハーボーンは周囲のエジバストンやボーンビルとは異なり、数多くのパブが存在しており、特に有名な「ハーボーン・ラン」と称されるパブ・クロールイベントでは、10軒から15軒のパブを訪れることができます。これは地域の文化の一部として多くの人々に楽しまれています。

ハーボーンの名称は、過去に多様な綴り方があり、その語源についてもさまざまな考えがあります。有力な説の一つは「境界の小川」という意味ですが、「高く上を向いた眉毛」や「汚い小川」という解釈も存在します。

また、セント・メアリ教会はこの地域で最初に建設されたカトリック教会として知られています。1870年からこの教会では御受難会による礼拝が行われてきました。教会の建設は1875年から始まり、1977年には新しい教会も完成しました。

1891年にハーボーンはバーミンガムの一部として組み込まれ、1974年にはウェスト・ミッドランズ州に編入されました。

交通

交通に関しては、ハーボーンにはナショナル・エクスプレス・ウェスト・ミッドランズのバス路線が豊富に存在し、11A、11C、22、23、24、29、29A、29S、48、99番のバスが通っており、地域住民の移動を支えています。かつては1874年に開業したハーボーン駅がありましたが、1934年には旅客営業が中止され、1963年には貨物営業も終了しました。そのため、今ではハーボーンとレディウッドを結ぶ遊歩道として利用されています。

最寄りの鉄道駅はユニバーシティ駅で、ここからはバーミンガム市中心部へのアクセスも良好です。かつての鉄道が残っていれば、通勤の利便性がさらに高かったかもしれませんが、現在のところ再開する見込みはありません。

政治

ハーボーンは、バーミンガム・エジバストン選挙区の一部として、労働党のジゼラ・スチュアートが選出されています。市議会では労働党のメンバーが多く在籍し、環境や都市計画に関わる担当者も含まれています。市議会選挙区には担当職員も配置され、地域のさまざまな問題に対処しています。

このように、ハーボーンは歴史と現代性が共存する地域で、多様な文化と便利な交通が融合した魅力的なエリアと言えるでしょう。

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