ハーモニカ横丁

ハーモニカ横丁

ハーモニカ横丁は、東京都武蔵野市吉祥寺本町に位置する、通称「ハモニカ横丁」として親しまれている商店街です。吉祥寺駅北口の駅前に広がり、細く入り組んだ路地に、飲食店や商店など約100軒の店舗が密集しています。この独特の景観は、第二次世界大戦後の1940年代後半に、吉祥寺駅前に自然発生した闇市がルーツとなっています。当時の面影を残す混沌とした雰囲気と、昭和レトロな魅力が、多くの人々を惹きつけています。

構成

ハーモニカ横丁は、吉祥寺駅側から順に、以下の5つの通りで構成されています。

仲見世通り：最も東側に位置し、以前は物販店が多かったものの、現在は飲食店が多くなっています。白地に赤丸の「ハ」の字が特徴的な看板が目印で、夜にはこの「ハ」の部分が様々な色に変化します。
中央通り：横丁の中央に位置し、飲食店が中心です。横丁のシンボル的な存在である「ハモニカキッチン」や、不二家のペコちゃん人形が置かれた店舗があることで知られています。
朝日通り：こちらも飲食店が中心ですが、メガネ店も存在します。黄色い「ハモニカ横丁」の看板が特徴的で、バス通りからもよく目立ちます。
のれん小路：横丁の中西部にある通りで、昼間は営業している店舗が少ないため、シャッター通りと呼ばれることもあります。しかし、夜になると活気を取り戻し、多くの人々で賑わいます。ダイヤ街とは繋がっていません。
* 祥和会通り：横丁の西端に位置し、焼き小籠包のテイクアウト専門店や貴金属店、漬物店などの老舗店舗が並びます。奥にはメンチカツで有名な「サトウ」があり、上から見下ろすとダイヤ街のドーム屋根が見えます。

特徴

ハーモニカ横丁は、その名の由来となった、小さな店舗がハーモニカの吹き口のように並んでいる様子が特徴です。この名称は、かつて武蔵野市に在住していた文芸評論家の亀井勝一郎が名付けたと言われています。

近年では、店舗経営者の高齢化による閉店も増えていますが、一方で新しい店舗の出店もみられます。吉祥寺駅周辺の再開発計画に伴い、ハーモニカ横丁の解体と商業施設建設の構想も度々浮上しましたが、複雑な権利関係などの理由から、計画は進んでいません。

横丁の活性化を目的として、毎年8月24日を「ハモニカ横丁の日」と定め、イベントが開催されています。また、2006年には下水道工事と道路舗装工事が行われ、リニューアルオープンしました。

ハーモニカ横丁は、小説や映画、アニメなどの舞台としても登場することが多く、その独特の雰囲気が多くのクリエイターを魅了しています。ケン・イシイの『EXTRA』のアニメPVにも、ハーモニカ横丁をモデルとした飲み屋街が登場しています。

2011年からは、毎月第3日曜日の朝に「ハーモニカ朝市」が開催されています。また、2013年には、三鷹駅前にハーモニカ横丁の三鷹支店とも言える商業施設「ハモニカ横丁ミタカ」がオープンしました。

武蔵野市の創業・事業承継支援の一環として、仲見世通りでは「チャレンジマルシェ」も開催されています。

その他

現地では【ハモニカ横丁】と【ハーモニカ横丁】の表記が混在しており、地元では「ハモニカ」の方が広く使われています。

ハーモニカ横丁は、その独特な雰囲気と歴史的な背景から、吉祥寺を代表する観光スポットの一つとして、多くの人々に愛され続けています。

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