ハーリド・ビン・アブドゥルアズィーズ

ハーリド・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール・サウード：サウジアラビア第4代国王の生涯

ハーリド・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール・サウードは、1913年2月13日に生まれ、1982年6月13日に亡くなったサウジアラビアの第4代国王です。ワッハーブ派イマームとしてはハーリド2世と呼ばれています。兄であるファイサル国王の後継者として1965年に王太子に任命され、1975年にファイサル国王が暗殺された後、即位しました。

王太子時代と即位

王太子時代、ハーリド国王は政治への関心が低く、策略を巡らすことがないことから、兄であるファイサル国王の後継者に選ばれました。国際連合などの場ではファイサル国王の代理を務めることもありましたが、その姿勢は消極的なものでした。

1975年の即位後、国王は実権を弟のファハド王太子兼第一副首相に委ねる形での統治を行いました。しかし、教育、医療、インフラストラクチャーへの投資を積極的に推進し、サウジアラビアの経済発展に大きく貢献しました。また、国家発展のために外国人労働者の受け入れを決定するなど、積極的な政策も行っています。

国内政策と外交

ハーリド国王の治世下で、サウジアラビアは目覚ましい経済発展を遂げました。教育・医療インフラの整備、そして外国人労働者の積極的な受け入れは、その発展を支える重要な柱となりました。

外交面では、1975年にアブダビ首長国（アラブ首長国連邦）およびオマーンとの間で、長年の懸案であったブライミー・オアシスをめぐる領土問題を解決しました。これは、三か国間の関係改善に大きく貢献する成果となりました。

1979年11月には、マッカの大モスク占拠事件が発生しました。この事件は、サウジアラビアにおける伝統主義勢力の影響力に関する議論を巻き起こしました。国王は、この事件を機に、国内の安定維持に尽力しました。

1981年には、湾岸協力会議（GCC）の結成を主導しました。これは、湾岸地域の安定と協調に大きく貢献する出来事となりました。同年、キング・ファイサル国際賞イスラーム奉仕部門を受賞しています。

健康問題と崩御

ハーリド国王は、1976年に健康を害し、アメリカ合衆国で開胸手術を受けました。サウード家には心臓発作で亡くなる者が多かったため、国王は旅行中の発作に備え、手術室を設置したボーイング747を購入していました。しかし、1982年6月13日、心臓発作のため崩御しました。その後、ファハド王太子が後を継ぎました。

ハーリド国王の功績

ハーリド国王は、サウジアラビアの近代化と経済発展に大きく貢献しました。その功績を称え、リヤドの国際空港はキング・ハーリド国際空港、軍事都市はハーリド国王軍事都市と命名されています。彼の治世は、サウジアラビアが現代国家として発展していく重要な転換期となりました。国王の積極的な政策は、サウジアラビアの繁栄の礎を築いたと言えるでしょう。彼の功績は、現代のサウジアラビア社会に今もなお影響を与えています。

まとめ

ハーリド国王の治世は、サウジアラビアの近代化と発展において極めて重要な時代でした。経済発展、外交、そして国内安定維持への取り組みは、後のサウジアラビアの発展に大きな影響を与えました。彼の功績は、今日でもサウジアラビアの人々に記憶され、称えられています。

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