ハーレクィンエア

ハーレクィンエアの歴史と影響

概要と設立

株式会社ハーレクィンエア（Harlequin Air Corporation）は、1997年の設立以来、日本エアシステム（JAS）の完全子会社として運営されてきました。設立当初、同社はJASの本社内に本社を置いていましたが、翌年の1998年には福岡県福岡市に移転し、福岡空港を拠点としました。その年の12月、福岡空港発のブリスベン行きチャーター便でスタートを切ります。主に国際線のチャーター便や、国内線のウェット・リース便の運航を手掛けていました。

ハーレクィンエアは設立当初から、特にお年寄りや子供連れの家族を意識したサービスを提供することに力を入れ、看護師や保母の経験を持つ客室乗務員の採用を積極的に行いました。その思いは、道化師をモチーフにしたロゴマークにも反映されています。道化師が観客を楽しませる姿を象徴することで、乗客が楽しい空の旅を体験できるよう心掛けていました。

サービス内容

ハーレクィンエアでは、国際線用のDC-10-30型機に最大41席の「プレミアムクラス」を設け、充実したエンターテイメント機能やアメニティを提供することで、他の航空会社との差別化を図っていました。エコノミークラスにもスリッパや歯ブラシなどのアメニティが用意され、乗客に快適なサービスを提供する努力がなされました。また、飛行機内では独自の機内誌「The World」が配布され、福岡を含む国内外の情報が盛り込まれていました。

ユニークなサービスの一環として、機内食には当たりくじが添付され、運がよければ客室乗務員とのじゃんけんで景品がもらえるという企画も行われていました。このように、フレンドリーさを強調したサービスが好評を得ていましたが、競争が激化する中で、次第に厳しい運営を余儀なくされていくこととなります。

経営の困難と解散

しかし、定期便の激しい価格競争に影響を受け、チャーター事業は不振に陥りました。1999年以降は、日本エアシステムの便の受託運航で収益を確保する方針に転換しますが、2000年3月には国際線チャーター便から撤退し、以後はMD-81型機を用いての国内線・国際線のウェット・リース便の運航を行うことにシフトしました。

2005年4月には航空運送事業を終了し、人材派遣業へと業態を変換します。客室乗務員は日本航空への派遣に移行し、同年8月には東京国際空港に移転しました。最終的に2008年には、派遣業からも撤退し、同年10月に解散しました。このように、ハーレクィンエアは短い運営期間ながらも、独特のサービスや理念で多くの人々に印象を残して去っていきました。

航空会社コード

ハーレクィンエアの航空会社コード「JH」は、2022年3月現在、他社であるフジドリームエアラインズが使用しています。短い歴史ではありましたが、独自の方向性と工夫に満ちた運営がなされていた航空会社であったことには変わりありません。

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