ハ46 (エンジン)

ハ46について

ハ46は、第二次世界大戦の時期に中島飛行機によって開発された航空機用の空冷星型エンジンです。このエンジンは、陸海軍で統合的に使用される名称であり、海軍の略符号はNK10A、陸軍ではハ217特として知られています。海軍では特に「護改」とも呼ばれていました。

開発の経緯

1942年、中島飛行機は本エンジンの開発に着手しました。ハ46は、元となる「護」エンジンを18気筒に拡張したモデルで、当初は川西航空機の十七試陸上攻撃機に搭載される予定でした。また、排気タービンと組み合わせることで、遠距離攻撃機への搭載も検討されていました。このように、本エンジンは当時の航空機技術の進歩を示すものとして注目されました。

試作と審査

1942年7月には試作1号機が完成し、その後、海軍による審査が進められました。しかし、審査は予定通りの進捗が見られず、当初の計画通りに進まなかったのが実情です。また、同時期に他のエンジン、特に誉エンジンが成功を収めたことも影響し、ハ46は制式採用に至らず、最終的には製作されたのはわずか6基にとどまりました。このように、ハ46はその開発過程においてさまざまな困難に直面していました。

主要諸元

ハ46の規格にはいくつかの重要な項目があり、以下にその主要な諸元をまとめました：

• - タイプ: 空冷星型18気筒
• - ボア×ストローク: 155mm×170mm
• - 排気量: 57.7L
• - 全長: 2,600mm
• - 全幅: 1,380mm
• - 内径: 155mm
• - 行程: 170mm
• - 乾燥重量: 1,350kg

エンジン性能も多彩で、離昇馬力は3000HP（回転数2,700RPM）を達成し、公称馬力は以下のように分かれています:

• - 一速全開: 2,750HP（高度2,000m時、回転数2,600RPM）
• - 二速全開: 2,450HP（高度5,500m時、回転数2,600RPM）

結論

ハ46は、第二次世界大戦における航空機用エンジンの一つとして、その技術的な価値や歴史的な背景が重要です。開発は困難を伴いましたが、航空機の性能向上を目指す努力が感じられるエンジンです。これに関する詳しい情報は、秋元実著の「まぼろしの高性能陸攻「泰山」＆「太洋」」においても触れられています。

もう一度検索