バイエルンの旗

バイエルンの旗：白と青が織りなす歴史と誇り

バイエルンの旗は、白と青のストライプ（縞模様）とロズンジ（菱形）の2つのデザインで構成され、バイエルン州を象徴する旗として広く知られています。これらの旗は、かつてバイエルンを統治したヴィッテルスバッハ家と深い関わりを持っています。

旗のデザインと意味

バイエルンの州旗は、紋章のない白と青のストライプ旗、もしくはロズンジ旗であり、水平・垂直どちらの様式も存在します。これらは州旗、そして湖や川で使用される商船旗として公式に認められています。紋章付きの旗は非公式な扱いですが、実際には紋章付きのロズンジ旗が市民旗として広く使用され、地域への誇りの象徴としてバイエルン州の至る所で目にすることができます。

旗に使用される青の色調は厳密に定められていませんが、一般的にはRGB 0-204-255の色が用いられ、公式な場ではRGB 0-128-255に近い色が使用される傾向があります。ロズンジの数も決まっていませんが、少なくとも21個以上必要であり、左上端のロズンジは白でなければなりません。

ロズンジはバイエルンの湖と川を表すという説や、旗の色は湖や空の色を表すという説がありますが、確固たる証拠はありません。ただし、『バイエルン賛歌』には「そして汝に彼（神）の天の色、白と青を保つ」という一節があり、色に対するバイエルン人の想いが感じられます。

歴史

白と青の菱形は、元々ボーゲン伯の紋章に由来します。1242年にヴィッテルスバッハ家がこれを継承し、12世紀から20世紀にかけてバイエルンを統治した同家の象徴として使用されるようになりました。1337年以降、ヴィッテルスバッハ家は菱形の旗を象徴として使用するようになり、その後、バイエルン・ランツフート公やバイエルン・ミュンヘン公のプファルツのライオンを配した旗など、様々なバリエーションが登場しました。ただし、当時バイエルン地方の公式旗というものは存在せず、統治者が自身の旗を掲げるにとどまっていました。

白と青の旗がバイエルンのシンボルとして確立したのは比較的後年のことで、地域の旗は非公式なものでした。1838年に初めて青の色調が明確化され、1878年にはルートヴィヒ2世によって、バイエルンの旗は明るい青の上に白の水平な縞で構成されるべきであると定められました。

1919年のミュンヘン・レーテ共和国時代には一時的に赤旗が使用されましたが、鎮圧後には白と青の旗が復活しました。そして、1946年のバイエルン州憲法でナショナルカラーが白と青であることが確認され、1953年にはストライプ旗とロズンジ旗が公式なバイエルン州旗として正式に制定されました。

ヴィッテルスバッハ家とプファルツ家

ヴィッテルスバッハ家は、1214年からバイエルン選帝侯に統合される1777年までプファルツ選帝侯を世襲し、多くの分家を輩出しました。プファルツ家も同様に多くの分家を持ち、「白と青の菱の紋章」が広まる要因となりました。中には、スウェーデンのプファルツ王朝のような王家も現れています。

バイエルンの旗は、その美しい色合いとデザインだけでなく、バイエルンの歴史と文化を象徴するものとして、バイエルン州民に愛され続けています。

関連項目

バイエルン
バイエルン選帝侯
ヴィッテルスバッハ家
プファルツ選帝侯
プファルツ家
バイエルン王国
* バイエルン州

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