バイオハザードIV アフターライフ

『バイオハザードIV アフターライフ』詳細解説

『バイオハザードIV アフターライフ』（原題：Resident Evil: Afterlife）は、2010年に公開されたアクションホラー映画です。この作品は、人気ゲーム『バイオハザード』シリーズを原作とした実写映画シリーズの第4作目にあたり、3D上映も行われました。サブタイトルの「アフターライフ」は、死後の世界を意味しています。

概要

本作は、2007年公開の『バイオハザードIII』から約3年ぶりの新作です。監督は、シリーズ第一作『バイオハザード』以来となるポール・W・S・アンダーソンが務めました。物語は前作から1年後の世界が舞台となり、主な舞台は東京・渋谷、アラスカ、そしてロサンゼルス（撮影はトロント）です。アンブレラ社の幹部であるアルバート・ウェスカーと、主人公アリス、そして生存者たちが繰り広げる戦いが描かれます。

監督のアンダーソンは、本作の制作にあたり、当時最新作だった原作ゲーム『バイオハザード5』から強い影響を受けたと語っています。その影響は、キャラクターの動きやクリーチャーのデザインにも表れており、アルバート・ウェスカーやクリス・レッドフィールドといったキャラクターがゲームと同じ動きをしたり、『5』に登場する「処刑マジニ」や「アジュレ」などのクリーチャーが登場したりします。また、舞台設定や演出にも『5』からのオマージュが多く見られます。さらに、アクションシーンでは、前作までと比べてスローモーションが多用されているのが特徴です。IMAX 3Dと3D版は日本語吹き替え版と字幕版で上映され、2D版は字幕版のみでした。本作はシリーズ初の吹き替え上映が行われた作品でもあります。

ストーリー

物語は、前作から3年前、T-ウイルスが世界中に蔓延し、東京でも感染者が発生したところから始まります。そこから、世界滅亡へのカウントダウンが始まりました。それから4年後、アンブレラ社は東京・渋谷の地下に巨大要塞を築き、アルバート・ウェスカーの指示の下、T-ウイルスの研究と実験を繰り返していました。その地下要塞を、アリスが自身のクローンたちと共に襲撃し、壊滅的なダメージを与えます。

ウェスカーは要塞をあっさりと見限り、オスプレイで逃亡。事前に仕掛けていた特殊爆弾を爆破し、渋谷一帯を地下要塞ごと消滅させました。ウェスカーは勝利を確信しますが、オリジナルのアリスは生き延びており、ウェスカーと同じオスプレイに乗り込んでいました。アリスはウェスカーを追い詰めますが、血清を打たれて能力を失い、さらにオスプレイが富士山に墜落したことで、ウェスカーを取り逃がしてしまいます。

半年後、アリスはアラスカにあるという安息の地「アルカディア」を訪れますが、そこには誰もいませんでした。落胆するアリスを襲撃したのは、先にアルカディアへ向かったはずの仲間、クレア・レッドフィールドでした。クレアの胸には奇妙なデバイスがついており、アリスがそれを除去すると、クレアは記憶喪失になっていました。

翌日、アリスとクレアは生存者を求めてロサンゼルスへ向かいます。そこで、アンデッドに囲まれた刑務所の屋上に生存者を発見し、着陸します。生存者たちから、アルカディアは地名ではなく、ロサンゼルス沖に停泊している船の名前だと教えられます。脱出のためには海上のアルカディアへ向かう必要がありますが、アリスたちの小型飛行機では全員が脱出できません。しかし、刑務所からの脱出方法を知っている男がいました。それは、クリス・レッドフィールドでした。

クリスはアンデッドと戦う特殊部隊の生き残りでしたが、生存者たちに囚人と間違えられて監禁されていました。アリスはクリスを解放し、脱出のために協力します。クレアは自分の妹だというクリスの言葉を、記憶のないクレアは拒絶します。クリスの指示で刑務所からの脱出を試みますが、大勢のアンデッドやマジニが襲いかかります。

主要キャスト

アリス・アバーナシー：ミラ・ジョヴォヴィッチが演じる主人公。元アンブレラ社特殊部隊員で、超人的な身体能力とテレキネシスを持っていましたが、本作で能力を失います。シニカルな性格になっていますが、戦闘能力は健在です。ウェスカーに血清を打たれて能力を失うものの、その後も様々な敵と戦います。
クレア・レッドフィールド：アリ・ラーターが演じる、前作からの登場人物。前作で人類の生き残りチーム「クレア車団」を率いていた女戦士。アラスカでアンブレラ社に捕らえられ、洗脳されてしまいますが、アリスに助けられ記憶を取り戻します。高い戦闘能力を持ち、アリスと協力して戦います。
クリス・レッドフィールド：ウェントワース・ミラーが演じる、クレアの兄。ロサンゼルスでのアンデッド襲撃に際し、アメリカ軍特殊部隊の兵士として出動していましたが、刑務所に監禁されていました。脱出のためにアリスたちと協力します。
ルーサー・ウェスト：ボリス・コジョーが演じる、刑務所の生存者たちのリーダー的存在。元NBA選手。アリスたちに協力します。
ベネット・シンクレア：キム・コーツが演じる、刑務所の生存者の一人。元映画プロデューサー。傲慢な性格で、アリスたちを裏切ります。
キム・ヤン:ノーマン・ヤンが演じる、刑務所の生存者の一人。ベネットの部下。
クリスタル・ウォーターズ:ケイシー・バーンフィールドが演じる、刑務所の生存者の一人。モデルのような容姿の持ち主。
エンジェル・オーティス:セルヒオ・ペリス＝メンチェータが演じる、刑務所の生存者の一人。技術作業担当。
ウェンデル:フルヴィオ・セセラが演じる、刑務所の生存者の一人。初老の男性。
アルバート・ウェスカー：ショーン・ロバーツが演じる、アンブレラ社の幹部。アリスの宿敵であり、T-ウイルスの研究を続けています。本作で、自身の力を過信し、アリス達に追い詰められます。
ジル・バレンタイン:シエンナ・ギロリーが演じる、元S.T.A.R.S.隊員。エンドロール後に登場し、次作への展開を示唆しています。

登場クリーチャー

アンデッド/ゾンビ：T-ウイルスに感染した人々の成れの果て。本能的な食欲に突き動かされ、生存者を襲います。
マジニ・アンデッド：T-ウイルスの変異によって進化したアンデッド。知能が高く、口から花弁状の器官を出して攻撃します。奇襲や不意打ちが得意で、走ることもできます。
処刑マジニ：巨漢のクリーチャー。断頭斧を振り回して攻撃し、全身が強化されています。ウェスカーによって刑務所に派遣されます。
* アジュレ：T-ウイルスの変異で進化したドーベルマン型のクリーチャー。頭部が割れて鋭い牙で噛みつきます。ウェスカーのペットとして登場します。

その他

本作には、ティルトローター機などの兵器が登場します。また、日本語吹き替え版も制作され、テレビ放映も行われました。

音楽はトムアンドアンディが担当し、サウンドトラック盤も発売されました。

DVDとBlu-rayも発売され、ランキングで1位を獲得しています。

続編として『バイオハザードV リトリビューション』が制作されました。

この映画は、アクションシーンとクリーチャーの描写が特徴で、原作ゲームファンだけでなく、アクション映画ファンにも楽しめる作品となっています。

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