バイオハザードアウトブレイクファイル2

『バイオハザードアウトブレイクファイル2』

2004年 9月9日、PlayStation 2用ソフトウェアとしてカプコンからリリースされたホラーアクションアドベンチャーです。前作『バイオハザードアウトブレイク』の続編であり、同作とは異なる視点で展開されるアナザーストーリーとして位置づけられています。北米では2005年4月に、ヨーロッパでは同年8月に発売されました。

ゲームシステム

前作で確立されたシステムを基盤に、様々な新要素が追加されています。アクション面では、武器を構えたまま移動できる「構え歩き」が可能になり、敵との不意の遭遇によるリスクが軽減されました。特定の敵に対しては、自動的に弱点部位に照準が合う機能も追加されています。また、這いずり状態でのアイテム拾得や、一部キャラクターへのスペシャルアクションの追加、マップやファイル画面でのアドリブ確認機能なども実装されています。

コミュニケーション手段として、新たに「謝罪」のアピールが追加されました。各プレイヤーキャラクターはそれぞれ固有の「エクストラアイテム」を初期装備しており、これはパーソナルアイテムと異なり他のプレイヤーと受け渡しが可能です。

オフラインプレイ時には、特定のシナリオに固定されていたAIPC（ノンプレイヤーキャラクター）を任意で2人選択できるようになりました。条件を満たすことで、隠しコスチュームやNPCも選択肢に含まれるようになります。また、キャラクター間の「相性」システムが導入され、相性が良い相手は指示を聞きやすくなったり協力的な行動を取る傾向があり、逆に相性が悪いと単独行動が増えるなど、協力プレイの要素が深まっています。

前作のセーブデータがメモリーカードにある場合、「コンバート」機能を利用することで、前作で集めたコレクションアイテムがすべて開放され、オフラインでも全ての隠し要素を楽しめるようになりました。

シナリオ構成

ゲーム本編では、最初から選択可能な4つのメインシナリオと、それらを全てクリアすることで解放される最終シナリオ「突破」の合計5つのメインシナリオをプレイします。シナリオの順序は任意で選択可能です。それぞれのシナリオは異なる舞台と目標を持っています。

咆哮（wild things）: 凶暴化した動物が跋扈するラクーン動物園からの脱出を目指します。多様なエリアがあり、ゾンビエレファントなどの強敵が出現します。ボスはゾンビエレファントまたはゾンビライオン（オス）です。
異界（underbelly）: 地下鉄駅構内からの脱出劇。メガバイトやその女王であるギガバイトといった巨大なノミが主な脅威となります。
記憶（flash back）: 山中の廃病院が舞台。巨大な植物に侵食された院内を、謎の怪人アクスマンから逃れつつ探索します。毒を持つクリーチャーが多く出現し、ボスはヒュージプラントです。特定の条件を満たすとトゥルーエンドやアリッサ専用エンディングが見られます。
死守（desperate times）: ラクーンシティ警察署に立てこもり、ゾンビの猛攻から署を防衛しつつ避難車両の到着を待ちます。神経ガス発生装置など特殊なギミックがあり、ボスは大量のゾンビです。
* 突破（end of the road）: アンブレラ開発センターから、崩壊寸前の街を抜けて脱出を図る最終シナリオ。タイラントや最終ボスであるニュクスが登場します。

メインシナリオに加え、ある条件を満たすとプレイ可能になる6つの「エクストラシナリオ」があります。これらはランダムに繋がった部屋で一般クリーチャーを全滅させる「殲滅」（3種類）と、ひたすらボス敵との連戦を行う「対峙」（3種類）です。難易度イージーでは一部の即死攻撃が無効化される緩和措置も取られています。

オンラインプレイ

有料サービス「マルチマッチングBB」に加入することで、最大4人までのオンライン協力プレイが楽しめました。オンラインの特徴として、同一キャラクターの重複選択が可能になったこと、ゲーム中のチャットは事前に用意された定型文のみであることなどが挙げられます。オフラインとは異なり、アイテムの配置がランダムになったり、ゲームオーバー時にゾンビ化して一定時間行動できたり、ポーズ機能が存在しないといった違いがあります。

登場人物

プレイヤーキャラクターは前作から引き続き、ケビン、デビット、マーク、シンディ、ジョージ、アリッサ、ジム、ヨーコの8人。それぞれのキャラクターは固有の能力やエクストラアイテムを持ち、プレイスタイルが異なります。今作では声優が一新されました。また、各シナリオには様々なNPCが登場し、物語に関わったりプレイヤーを助けたりします。条件を満たすことで一部のNPCも操作可能になります。

登場クリーチャー

T-ウィルスやその他の影響で変異した様々な生物が登場します。前作から引き続き登場するゾンビやリッカーに加え、本作固有のクリーチャーが多数出現します。ラクーン動物園が舞台となる「咆哮」ではゾンビ化したゾウ（ゾンビエレファント）やライオン、ハイエナ、鳥（ホーンビル）、巨大なアブ（フライングバグ）などが登場。「異界」では巨大ノミのメガバイトやギガバイト、「記憶」では植物と同化したグリーンゾンビや怪人アクスマン、巨大植物ヒュージプラントが登場します。最終シナリオ「突破」ではタイラントや最終ボスのニュクスがプレイヤーを待ち受けます。

新規武器

本作から新たに使用可能になった武器も多数存在します。ハンドガンGL、ハンドガンHP、リボルバー、ショットガンE、ハンティングライフルといった銃器に加え、角材や斧といった打撃武器が追加されました。その他にも、植物系クリーチャーに有効な特殊溶剤の薬ビン、アリッサのエクストラアイテムであるスタンガン、ジョージのエクストラアイテムであるカプセルシューター、そして特定の敵に大ダメージを与える時限爆弾や起爆スイッチなどが加わり、戦略の幅が広がりました。

バイオハザード アウトブレイク ファイル2