バイオハザード ヴィレッジ

バイオハザード ヴィレッジ

『バイオハザード ヴィレッジ』は、カプコンが開発し2021年5月8日に発売されたサバイバルホラーゲームです。欧米では『RESIDENT EVIL VILLAGE』として展開され、タイトルロゴにローマ数字の「VIII」が強調されていることから、『バイオハザード8』に相当する作品です。対応プラットフォームはPlayStation 4|PlayStation_4/5、Xbox One/Series X|S、Nintendo Switch、PCと多岐に渡ります。本作のキャッチコピーは「邪悪と狂気に満ちる村。」です。

概要

物語は前作『バイオハザード7 レジデント イービル』の3年後に位置し、主人公は引き続きイーサン・ウィンターズ。彼の物語の完結編として描かれます。舞台は孤立した山間部の村で、「この村自体がもう一つの主人公」と言われるほど物語の核心となります。

ゲームシステムは前作同様の一人称視点（アイソレートビュー）を採用し、REエンジンで開発されています。PS5やXbox Series X/S|Xbox Series X_S、PCではシリーズ初のレイトレーシングにも対応。日本国内では「通常版（CERO D）」と、より過激な表現を含む「Z Version（CERO Z）」の2種類が販売されました。

2022年10月28日にはダウンロードコンテンツ「ウィンターズ・エクスパンション」が配信され、本編とセットになった『バイオハザード ヴィレッジ ゴールドエディション』も発売。「ウィンターズ・エクスパンション」には、本編を三人称視点でプレイできるモード、マーセナリーズの追加要素、そして成長したローズを主人公とする新シナリオ「シャドウズ オブ ローズ」が含まれています。

物語

ベイカー邸での事件から約3年半後、BSAAの保護下で平穏に暮らしていたイーサン一家は、クリス・レッドフィールド率いる部隊の襲撃を受け、妻ミアは射殺（偽物）、娘ローズマリーは攫われてしまいます。事故で輸送車から投げ出されたイーサンは、ローズを追って雪に覆われた不気味な村へと迷い込みます。

村は「ライカン」などのクリーチャーに襲われ、壊滅状態にありました。イーサンは娘を取り戻すため、村を支配するマザー・ミランダと、彼女に仕える四貴族――オルチーナ・ドミトレスク、ドナ・ベネヴィエント、サルヴァトーレ・モロー、カール・ハイゼンベルクに立ち向かいます。ミランダは特別な儀式のため、ローズの体を4つのフラスクに分け、四貴族に分配していたのです。

謎の商人デュークの助言を得ながら、イーサンは四貴族を次々と撃破し、フラスクを回収していきます。その過程でクリスと再会し、冒頭で射殺したミアが、ローズを狙うミランダが擬態した偽物であったこと、そしてクリスの行動の真意がローズを守ることにあったことを知ります。ハイゼンベルクとの決戦後、イーサンはミランダ本人の手によって一度命を落とします。

死んだはずのイーサンは、かつてベイカー邸で特異菌に感染し、一度死亡した後に再生した存在であることを知らされます。特異菌の力で再び蘇生したイーサンは、デュークの助けでミランダの儀式が行われている場所へ向かいます。そこでエヴァとして蘇生されそうになっていたローズを救うため、怪物と化したミランダと最後の戦いを繰り広げ、これを打ち破ります。

しかし、イーサンの体は限界を迎えていました。駆けつけたクリスにローズを託し、自らを犠牲にして村の地下にある菌根に仕掛けた爆弾を起動。菌根と村と共に爆炎に消えます。クリスは娘と共に脱出したミアにイーサンの死を伝えますが、BSAAの一部隊が人型B.O.W.であることを知り、組織への不信感を募らせるのでした。物語は、時を経て成長したローズが父の墓参りをする場面で締めくくられます。

主要登場人物

イーサン・ウィンターズ: 娘を奪還すべく、異形のクリーチャーや狂気に満ちた村の住人に立ち向かう主人公。特異菌により驚異的な再生能力を持つ。
クリス・レッドフィールド: シリーズの英雄。イーサン一家を襲撃するが、それはミランダの企みを知った上での行動だった。自身の部隊「ハウンドウルフ隊」を率いる。
ミア・ウィンターズ: イーサンの妻。物語開始前にミランダに拉致されていた。娘ローズと共に、特異菌由来の特別な力を持つ。
ローズマリー・ウィンターズ: イーサンとミアの娘。その特殊な能力から、ミランダに「器」として狙われる。

敵対者

マザー・ミランダ: 村の統治者であり、事件の黒幕。亡き娘エヴァの蘇生に執念を燃やし、特異菌を用いた非道な実験を繰り返す。他者に擬態する能力を持つ。
四貴族: ミランダに仕える4人の支配者。巨大な女城主オルチーナ・ドミトレスク、人形使いドナ・ベネヴィエント、醜悪な半魚人サルヴァトーレ・モロー、磁力使いのエンジニアカール・ハイゼンベルク。

ゲームシステムと舞台

本作は、村の中央集落を拠点として、ドミトレスク城、ベネヴィエント邸、人造湖、ハイゼンベルクの工場など、各エリアを探索する形式で進行します。インベントリは『バイオハザード4』のような整理方式を採用。クラフトによるアイテム生成や、商人デュークによる売買・武器強化、料理によるステータス強化など、様々なシステムが盛り込まれています。戦闘ではガードや敵を蹴り飛ばすアクションが有効です。探索パートには隠されたアイテムや謎解き、イースターエッグなども存在します。

用語

レイ (Lei): 作中の通貨。
特異菌/菌根: 事件の元凶となる真菌と本体。記憶を蓄積する性質を持つ。
カドゥ: ミランダが開発した寄生体。能力付与や変異を引き起こす。
ゾルダート: ハイゼンベルクが製造した機械化死体兵。
BSAA: バイオテロ対策部隊。作中では腐敗が示唆される。
菌根の記憶の世界: DLC「シャドウズ オブ ローズ」の舞台。菌根に取り込まれた記憶で構成される異世界。

ウィンターズ・エクスパンション

本編の三人称視点モード、マーセナリーズの追加要素、そして「シャドウズ オブ ローズ」を含むDLCパックです。

シャドウズ オブ ローズ ストーリー

本編から16年後。特殊な能力に苦悩する16歳のローズが主人公。能力を消すため、父の記憶が残る菌根の意識の世界へ。「浄化結晶」を探し求める中で、謎の人物マイケル（父イーサンの意識体）の導きを受け、ミランダやエヴリンの思念と対峙。自身の能力と向き合い、成長する物語が描かれます。

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