バグダード＝バスラ高速鉄道路線

バグダード＝バスラ高速鉄道路線

バグダード＝バスラ高速鉄道路線は、イラクの首都バグダードと南部の大都市バスラを結ぶ都市間高速鉄道路線です。2014年から運行を開始し、イラクの主要都市間を結ぶ重要な交通手段となっています。

計画の始まり

この路線の計画は、2011年6月24日に開催されたパリ航空ショーで、当時のフランス運輸担当副大臣ティエリー・マリアニによって初めて発表されました。計画によると、この高速鉄道は、バグダードとバスラの起終点に加え、ムサイーブ、カルバラー、ナジャフ、サマーワなどの主要都市を経由し、全長約650キロメートル（400マイル）に及ぶ壮大なプロジェクトでした。

マリアニ副大臣は、フランスの企業アルストムとイラク政府との間で、この路線建設に関する基本合意書（MOU）が締結されたと発表しました。発表後、アルストムとイラク政府は独占交渉に入り、同年末までに正式な契約締結を目指しました。マリアニ副大臣自身も、プロジェクトに関する協議のためイラクを訪問する意向を示しました。

アルストムは、この路線全体の設計、建設、運行を包括的に担う契約を希望していましたが、最終的にはこの計画は実現しませんでした。

計画の変更と実現

計画当初、この路線は時速250kmでの運行を予定していましたが、2014年には時速160kmに修正されました。しかし、それまで老朽化した時速64kmの車両しか運行していなかったこの路線に、中国の青島四方機車車輛が製造した高速車両が導入されたことは、大きな進歩でした。この導入により、バグダードとバスラ間の移動時間が大幅に短縮され、より快適な移動体験が提供されるようになりました。

この路線は、イラクの都市間輸送における重要な役割を果たしており、経済発展や人々の移動の自由度向上に貢献しています。計画当初の予定からの変更はあったものの、この高速鉄道路線はイラクの交通インフラの近代化における重要な一歩と言えるでしょう。

脚注

アルストム：フランスに本社を置く世界的な鉄道車両メーカー。
青島四方機車車輛：中国の鉄道車両メーカーで、高速鉄道車両の製造で知られています。

関連項目

* バグダード鉄道

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