バグラダス川の戦い

バグラダス川の戦い：カエサル軍、北アフリカで大敗

紀元前49年8月24日、北アフリカのバグラダス川（現在のメジェルダ川）沿いで、ガイウス・ユリウス・カエサル率いるカエサル派と、元老院派およびヌミディア王国連合軍との間で「バグラダス川の戦い」が繰り広げられました。

戦いの背景

グナエウス・ポンペイウスがギリシアに逃れ兵力を集結させる中、カエサルは背後を突かれる危険を避けるため、自らヒスパニアへ向かい、元老院派の拠点を制圧しようとしました。同時に、もう一つの拠点である北アフリカを抑えるため、ガイウス・スクリボニウス・クリオを総司令官として軍を派遣しました。

クリオはまず、シチリアを元老院派のマルクス・ポルキウス・カトとの戦いなしに制圧。その後、2個軍団をシチリアに残し、自らは2個軍団と500騎の騎兵を率いて北アフリカに上陸。元老院派の軍を掃討しながら、アフリカ属州の州都ウティカ近郊のバグラダス川沿いに陣を構えました。

一方、北アフリカの元老院派軍を率いるプブリウス・アッティウス・ウァルスは、同盟関係にあったヌミディア王ユバ1世に支援を要請し、これに成功しました。

戦闘の経過

紀元前49年8月24日、両軍はついに激突しました。しかし、ヌミディア軍の騎兵と戦象部隊の前に、カエサル軍は圧倒されます。カエサル軍は総崩れとなり、クリオ自身も敵陣に斬り込んで戦死するという結果となりました。兵士の大部分も戦死し、降伏した兵士の多くも殺害され、カエサルが送り込んだ北アフリカ征討軍はほぼ全滅という大惨敗を喫しました。

戦いの影響

バグラダス川の戦いでの敗北は、ヒスパニア制覇を成し遂げたカエサルにとって大きな痛手となりました。一方、劣勢であったポンペイウスにとっては、勢いを盛り返すきっかけとなりました。

この戦いは、カエサルの内戦における一局面であり、その後の戦局に大きな影響を与えることになりました。

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