バス (メイン州)

バス市の概要

バス（Bath）は、アメリカ合衆国メイン州に位置する小さな都市で、サガダホク郡の郡庁所在地として知られています。人口は2010年の国勢調査によると8,514人で、ケネベック川の三角江に造られた良港を持ち、通関手続きが行われる地点にもなっています。バス市は19世紀の建築物が豊富に残されており、多くの観光客が訪れるスポットでもあります。また、バス市の誇るバス鉄工所では、アメリカ海軍のための軍艦が建造されており、毎年7月4日の建国記念日週末には「ヘリテージ・デイズ・フェスティバル」が開催されることで知られています。

歴史

この地域の原住民であるアベナキ族インディアンは、ここを「サガダホク」と呼び、これは「大河の河口」を意味しています。1605年、フランス人探検家サミュエル・ド・シャンプランがこの地を探検しました。1607年には下流でポパム植民地が設立されたものの、厳しい気候や指導力の欠如により失敗しました。しかし、この開拓者たちは「バージニア・オブ・サガダホク」と呼ばれる海洋航行船舶を建造し、イングランドへと戻ることに成功しました。バスの入植者たちはイングランドのバースからやってきた人々が大部分を占めています。

その後、1660年頃に再び入植が始まり、ロビンフッドと呼ばれるインディアンの酋長から土地の権利を購入しました。1753年にはジョージタウンの一部として法人化し、1781年には独自の町として法人化されました。郵便局長のダマー・スーウェルが、イングランドのバースにちなんで町名を付けました。1844年にはウェストバスが分離して新たな町が誕生し、1847年には市として法人化されました。1864年には郡庁所在地としての地位を得ることになりました。

バス市の経済は製材業や製鉄業、精銅業などの産業が発展しましたが、特に造船業は1743年に始まりました。同年、ジョナサン・フィルブルックが2隻の船を建造したのがその出発点です。その後、約5,000隻が進水し、19世紀半ばには国内第5位の海港となり、世界中の港に向けたクリッパー船の製造が盛んになりました。バス鉄工所は1884年に設立され、数百隻の木製および鋼製船を建造してきました。この造船所は地域の主要な雇用主であり、第二次世界大戦中には新造船を17日に1隻のペースで進水させていました。

バス市は多様な建築様式でも知られ、連邦様式やギリシャ復古調、イタリア様式の建物が目を引きます。その中でも1858年に建設された税関やアミ・B・ヤングが設計した郵便局が特に有名です。バス市は日本の青森県車力村（現つがる市）と姉妹都市関係にあり、1889年にバスで建造されたシップが台風で座礁し、村人たちが救助にあたったことが縁でこの関係が結ばれました。

地理と気候

バス市は北緯43度54分59秒、西経69度49分21秒に位置し、面積は13.22平方マイル（約34.24平方キロメートル）、うち陸地は9.10平方マイル（約23.57平方キロメートル）、水域は4.12平方マイル（約10.67平方キロメートル）です。市内を流れるケネベック川は、地域における重要な水路となっています。気候は温暖湿潤で、四季がはっきりしています。

教育と文化

バス市内にはいくつかの教育機関があり、ダイク-ニューウェル小学校やフィッシャー-ミッチェル小学校、バス中学校やモース高校などがあります。モース高校ではさまざまなスポーツチームが活動しており、また地域の文化活動も盛んです。市内には親しまれている図書館や、アートセンターなども設立されています。観光地としても、メイン海洋博物館やバススタジオシアターなどがあり、訪れる人々に楽しみを提供しています。

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