バスカード (西鉄バス)

バスカードの歴史と代替手段

バスカードは1992年9月1日に西日本鉄道グループ（亀の井バス、日田バスを除く）の路線バスで使用されるプリペイドカードとして初めて販売されました。このカードは、従来の紙式回数券に代わるもので、利用者に手軽な支払い方法を提供しました。しかし、ICカード乗車券「nimoca」の導入により、2009年にバスカードは廃止されました。

バスカードの導入と発展

沿革

バスカードの発売は1992年に始まり、最初に利用可能だったのは32番、34番宇美線、および36番須恵線の3路線でした。その後、福岡地区に徐々にカードリーダーが設置され、1993年11月には福岡全車両に導入が完了しました。

翌1994年にはデザインが変更され、10,000円券が追加されました。北九州地区にも導入が始まり、1995年には西鉄の全路線で利用可能となります。1997年以降はオリジナルデザインのカードも登場しましたが、これらは2000年に廃止されました。

最盛期と廃止の経緯

2007年度には485万枚が販売され、バス収入の30%を占めるなど、多くの利用者に愛されていたことが伺えます。しかし、2008年5月に「nimoca」が導入されたことで、バスカードは徐々に姿を消していきました。2009年に入り、4月1日に廃止が発表され、9月30日には販売が終了。翌2010年3月31日をもってそのサービスは完全に終了しました。

利用方法とバス乗継割引

バスカードの使用方法は非常に簡単で、2ドア車両の場合は乗車時にドア横のカードリーダーにカードを挿入し、降車時にも別のリーダーに挿入します。1ドア車両では、それぞれ異なる挿入口が設けられていました。残高不足の際には現金や他のカードでも対応可能でした。

また、バス乗継割引制度があり、指定の条件を満たす場合は乗り継ぎの際に運賃が割引されるサービスもありました。具体的な乗継割引の例には、同一バス停での乗り換えにおいて90分以内であれば、さらに80円が割引される仕組みがあり、多くの利用者にとって利便性を高めたものでした。

バスカードのデザインと券種

最初はバスの写真をデザインに取り入れていましたが、1994年のデザイン変更を機に額面ごとに異なる色合いとストライプが採用され、イラストも加わることになりました。2008年度には、西鉄創立100周年記念として特別なデザインが施されました。券種は1,000円、3,000円、5,000円、10,000円の4種類がありましたが、最終的には写真印刷が取りやめられ、チェック柄のカードデザインに統一されることになりました。

廃止後の対応

ニモカの導入後、西鉄はバスカードの廃止を決定しました。バスカードの取り扱いは2010年3月まで続けられ、その後5年間は未使用分の払い戻しが行われました。この際の計算方法も明確にされており、残額に応じた払い戻しが行われました。

まとめ

バスカードは多くの西鉄グループのバス利用者にとって便利な存在でしたが、ICカードの普及によりその役目を終えました。私たちはバスカードの歴史を振り返ることで、交通手段の進化を実感するとともに、かつての日常生活におけるその重みを感じることができるのではないでしょうか。

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