バターン (空母)

USSバターン (CVL-29) の艦歴

USSバターン（USS Bataan, CVL-29）は、アメリカ海軍のインディペンデンス級航空母艦の8番艦として建造されました。艦名は、太平洋戦争初期のフィリピンにおける激戦地、バターンの戦いに由来します。

起工から第二次世界大戦終結まで

当初、軽巡洋艦「バッファロー (USS Buffalo, CL-99) 」として起工された本艦は、1942年6月2日に航空母艦へと艦種変更され、「バターン」と命名されました。その後、1943年7月15日に軽空母（CVL-29）へと再変更され、同年8月1日に進水、同年11月17日にV.H.シェーファー艦長の指揮下で就役しました。整調航海を終えた後、太平洋艦隊に配属されました。

1944年から1945年にかけて、バターンは数々の重要な作戦に参加しました。初陣は1944年4月、ニューギニアのホーランディアへの攻撃で、その後、トラック島、サタワン環礁、ポナペへの攻撃、さらにサイパンやマリアナ諸島への攻撃、第一次・第二次小笠原諸島攻撃、そしてマリアナ沖海戦にも参加しました。

修理のために一時帰国した後、バターンは第58任務部隊に加わり、沖縄攻略支援に従事しました。この間、艦載機は1945年4月7日に戦艦「大和」撃沈に貢献しました（坊ノ岬沖海戦）。また、同年4月18日には潜水艦を撃沈したと報告しましたが、これは実際にはその前に駆逐艦によって撃沈された「伊56」である可能性が高いとされています。

その後、フィリピンに後退し、第3艦隊に合流して日本本土攻撃に参加しました。バターンは、空母「エセックス」「タイコンデロガ」「ランドルフ」「モンテレー」と共に第38.3任務群を構成し、1945年7月には函館や青函連絡船への攻撃を行いましたが、天候偵察任務中の艦載機2機が行方不明となる事態も発生しました。

戦後から除籍まで

終戦後、バターンはアメリカに帰還し、1945年10月17日にニューヨークに到着しました。その後、「マジック・カーペット作戦」に参加し、1946年1月10日にフィラデルフィアに到着。不活性化が行われ、1947年2月11日に予備役となりました。

しかし、1950年5月13日、バターンはフィラデルフィアで再就役しました。朝鮮戦争勃発を受け、同年7月にはサンディエゴに到着。空軍の物資と人員を搭載し、東京湾に向けて出港しました。1950年12月15日に韓国水域に到着し、1951年6月まで艦載機による地上支援攻撃を実施しました。

1951年6月2日に西海岸に向けて出発し、オーバーホールのためブレマートンへ向かいました。その後、横須賀や沖縄の中城湾を経て、朝鮮半島での作戦活動に従事しました。1952年夏には日本と韓国の間で活動し、1953年5月10日まで作戦活動を続けました。

1953年8月26日、バターンは不活性化のため帰国。1954年4月9日にサンフランシスコで予備役となり、1959年9月に除籍、1961年5月にスクラップとして売却されました。

受章

バターンは、その戦功により第二次世界大戦で6つ、朝鮮戦争で7つの従軍星章を受章しました。

参考文献

石井勉『アメリカ海軍機動部隊 英和対訳対日戦闘報告/1945』成山堂書店、1988年。ISBN 4-425-30121-8。
小灘利春、片岡紀明『特攻回天戦 回天特攻隊隊長の回想』海人社、2006年。ISBN 4-7698-1320-1。

外部リンク

* USS Bataan at Nine Sisters Light Carrier Historical Documentary Project

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