バッキー事件

バッキー事件の概要とその影響

バッキー事件とは、ビデオ制作会社「バッキービジュアルプランニング」が関与した、AV女優や素人モデルに対する強姦致傷事件を指します。この事件は、2004年6月に東京都豊島区で発生し、後に日本社会に大きな波紋を広げました。

事件の発端

事件が明るみに出たのは、2004年6月下旬のことです。バッキービジュアルプランニングの代表である栗山龍（本名・栗山竜）とその関係者は、居酒屋でAV女優に薬物を摂取させた後、彼女を西池袋のマンションに連れ込みました。そこで、猥褻行為を撮影しつつ、浣腸器具を無理に挿入し、それが破裂するという残虐な行為を行った結果、被害者は直腸穿孔や肛門裂傷を負い、全治4か月の重傷を負いました。この時、適切な医療処置が行われなければ命の危険があったとされています。

事件の発覚

この事件は、警察に通報され捜査が開始されるきっかけとなりました。被害者は重大な後遺症に苦しみ、最終的には人工肛門を付けざるを得ない状況に追い込まれたとされています。事件を受けて、12月16日には栗山と他の関係者が強制わいせつの疑いで逮捕されましたが、証拠不十分で一時的に釈放されることになりました。

事件の全容とその後

バッキーは、以前から監禁、暴行、強制飲酒をテーマにしたビデオを多く制作しており、その詳細は女優たちにはほとんど知らされていなかったと言います。また、同社は「監禁友の会」という組織を立ち上げ、DVDの購入者を対象に撮影参加エキストラを募集していました。これらの行為は、今後の捜査において問題視されました。

逮捕後、池袋警察署は本格的にバッキーに対する捜査を進め、苦しんでいた女優たちが次々と被害届を提出しました。2005年3月には、関係者6人が再逮捕され、その後も監督の逮捕など続きました。栗山も、他のスタッフに罪をなすりつける形で逃げていたものの、2006年には強姦致傷容疑で起訴されました。

裁判と判決

栗山は主犯として東京地方裁判所に起訴され、事件の詳細な経緯が法廷で明らかにされました。女性たちに違法薬物を与え、数十人で集団的に暴行し、手足を縛って水中に沈めるなど、残酷極まりない行為が10時間以上にわたり行われていたことが浮き彫りになりました。検察は懲役20年を求刑しましたが、事件に対する栗山の無反省な態度も問題視されました。

2007年12月19日には、東京地裁から懲役18年の判決が言い渡され、2008年には二審もこの判決を支持しました。現在、栗山は長野刑務所に服役中であり、その他の関係者はすでに出所しています。

事件の意義

バッキー事件は、AV産業における犯罪や暴力の対策の重要性に光を当てるものであり、多くの人々に衝撃を与えました。また、被害者の勇気ある告発が、この種の犯罪に立ち向かうための重要な一歩であることを示しました。

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