バツ (通貨)

バヌアツの通貨：バツ（Vatu）

バツは、南太平洋に位置する島国、バヌアツの公式通貨です。国際通貨コード（ISO 4217）ではVUVと表記され、略称としてVtが用いられることもあります。

バツの誕生と背景

バツは、1982年にバヌアツが独立を果たした後、それまで使用されていたニューヘブリディーズ・フランとオーストラリア・ドルに代わって導入されました。この通貨は、バヌアツの経済的自立を象徴するものであり、国の主権を明確にする重要な役割を担っています。

また、バツはタイ王国の通貨であるバーツとは全く異なる通貨であり、その価値や歴史的背景も大きく異なります。

補助通貨単位の不存在

バツには補助通貨単位がありません。これは、導入当初、ニューカレドニアやフランス領ポリネシアで使われているCFPフランと同等の価値を持たせる目的があったためです。補助通貨単位を設ける必要がないほど価値が高く設定されていたことが分かります。

為替レートの変動と通貨バスケット

バツの交換レートは固定されておらず、市場の変動に応じて変動します。しかし、複数の主要通貨から構成される通貨バスケットに連動しているとされており、その変動は比較的安定しています。

2008年9月27日時点のレートでは、1バツがおよそ1.11円に相当していました。ただし、為替レートは日々変動するため、最新のレートを確認する必要があります。

バヌアツにおけるドルの慣習

バヌアツでは、計算を単純化するために、便宜的に100バツを1ドルと呼ぶことがあります。これは、オーストラリアやニュージーランドなど、バヌアツを訪れる観光客の主な出身国で使われる1ドル硬貨と、100バツ硬貨の大きさがほぼ同じであるという実用的な理由に基づいています。

具体的には、オーストラリアの1ドル硬貨は直径25mm、ニュージーランドの1ドル硬貨は直径23mmであり、100バツ硬貨の直径23mmとほぼ同じです。このため、現地の商店では、国を問わずドルを商品の代価として受け入れることが一般的です。この習慣は、観光客にとって非常に便利なものとなっています。

硬貨の種類

バツの硬貨は、1983年に1、2、5、10、20、50バツ硬貨が発行され、1988年には100バツ硬貨が加わりました。さらに、50バツの記念銀貨も複数発行されており、収集家の間で人気があります。

これらの硬貨は、バヌアツの文化や歴史を反映したデザインが施されており、観光客にとっても魅力的なお土産となっています。

紙幣の種類

バツの紙幣は、1982年にバヌアツ中央銀行によって100、500、1000バツ紙幣が発行されました。1989年には5000バツ紙幣が追加され、さらに1993年には500、1000バツ紙幣、1995年には200バツ紙幣が発行されました。

1989年には、バヌアツ中央銀行がバヌアツ準備銀行に組織変更し、貨幣の発行業務が引き継がれました。

紙幣には、バヌアツの自然や文化、歴史的な出来事が描かれており、国のアイデンティティを表現する重要な役割を担っています。

まとめ

バツは、バヌアツの経済を支える重要な要素であり、その歴史や特徴は、バヌアツの文化や社会を理解する上で欠かせない要素です。この通貨を通して、バヌアツという国を深く知ることができます。

（為替レートは常に変動しますので、最新の情報をご確認ください。）

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