ISO 4217

ISO 4217とは

ISO 4217は、1978年に国際標準化機構（ISO）によって発行された国際規格で、各国の通貨を識別するコードを定めています。この規格は、商業や金融の多様な場面で通貨を表現する際の統一された方法を提供し、その名称は「通貨および債券の表現のためのコード」となっています。

規格の構成

ISO 4217は、大きく分けて3つの表から構成されます。これらは以下の通りです。
1. 現行通貨・債券コードの一覧 (Table A.1)
2. 現行債券コード (Table A.2)
3. 歴史的な通貨・債券のデノミネーションコード一覧 (Table A.3)

これらの表は、主にSIXインターバンク・クリアリングが管理しており、ISO規格及びスイス標準化協会と連携しています。世界中の銀行や企業で広く使用されており、特にマスコミにおける為替レートの表示などで一般的に認識されています。

コードの形式

ISO 4217の通貨コードは、アアルファベット3文字で構成されており、最初の2文字は国名に基づくISO 3166-1の国名コード、3文字目は通貨名の頭字語です。例えば、日本円のコードは「JPY」であり、ここで「JP」は日本、そして「Y」は円の頭文字となっています。この形式により、同じ名称の通貨が存在する場合でも、それぞれに異なるコードを割り当てることができます。

ただし、3文字目が通貨名の最初の文字でない場合もあります。これは、新たに設計された通貨コードやデノミネーションの影響により、異なるコードが用いられるためです。

特記事項

ISO 4217では、国家単位の通貨に加えて、超国家的な通貨や特別な金融商品も同様にコードが割り当てられています。特に、通貨コードが「X」で始まるものは、国家が発行したものでないことを示します。

たとえば、金は「XAU」、銀は「XAG」といった具合です。これらの金属は指定された重量当たりの値を示すために使用されるため、金XAUは1トロイオンスの金に関連協定されています。

特殊なコードについても言及すると、テスト用の「XTS」や、通貨を使用しない取引を示す「XXX」も存在します。また、特定の金融商品には、例えば国際[[通貨基金]]から発行される特別引出権「XDR」のようにコードが割り当てられています。

補助貨幣単位

ISO 4217には、通貨単位とその補助通貨単位との関係を示す「指数（exponent）」が定められています。これは、補助通貨単位が主要な通貨単位の何分の一かを示す数値であり、通常は100分の1ですが、例外も存在します。

例えばアメリカドルにはセント（USD）、日本円には銭がそれぞれ存在しますが、実質的に使われないため日本円の指数は0となっています。

歴史的経緯

この規格は1973年に始まった計画に基づき、商業や金融における通貨の標準化を目的として開発されました。新しい通貨が導入されることで既存のリストが更新され続けるため、ISO 4217のメンテナンス機関であるSIXインターバンク・クリアリングは、これらのコードの維持管理を行っています。

結論

ISO 4217規格は、通貨の国際的な取り扱いや表示の標準化に寄与する重要な規範です。この仕組みを通じて、国際貿易や金融市場における透明性が高まり、経済活動の円滑化が図られています。

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