CFPフラン

CFPフラン：太平洋に浮かぶフランスの通貨

CFPフランは、ニューカレドニア、ウォリス・フツナ、フランス領ポリネシアという、太平洋に散らばるフランス領の島々で使用されている通貨です。その歴史は第二次世界大戦終結直後の1945年に遡り、フランスの通貨政策と密接に結びついています。CFPフランは、単なる地域通貨以上の意味を持ち、フランスと太平洋地域との経済的な結びつきを象徴する存在と言えるでしょう。

CFPフランの概要

CFPフランは、「フレンチ・パシフィック・フラン」または「パシフィック・フラン」とも呼ばれます。通貨コードは「XPF」で、1ユーロ＝約119.33XPF（2024年5月現在）の固定相場が設定されています。この固定相場は、CFPフランがユーロ圏の経済に深く組み込まれていることを示しています。通貨の発行は、フランスの海外通貨発行機関（IEOM）によって行われています。

CFPフランは、1945年12月にCFAフランと同時に創設されました。これは、第二次世界大戦後の混乱と、ブレトン・ウッズ協定によるフランス・フランの価値変動に対応するための措置でした。当初はアメリカドルの影響が強く、ドルとの固定相場制が採用されましたが、1949年にはフランス・フランとの固定相場に移行しました。

興味深いことに、「CFP」という略称は、当初「仏領太平洋地域フラン」を意味していましたが、後に「太平洋金融共同体」や「太平洋フラン通貨」といった解釈もされるようになり、公式な定義は存在しません。しかし、2022年2月26日に発効した条例によって、CFPフランは「太平洋のフランス共同体のフラン」と定義されました。

為替相場の変遷

CFPフランの歴史は、為替相場の変動と密接に結びついています。以下に、主な為替相場の変遷をまとめます。

1945年12月：1USD = 49.6 XPF (1 XPF = 2.40 FRF)
1949年9月：1 XPF = 5.50 FRF
1960年1月：1 XPF = 0.055 FRF（フランス・フランのデノミに伴う）
1999年1月：1,000 XPF = 8.38ユーロ（ユーロ導入に伴う）


これらの変遷は、フランスの通貨政策や国際的な経済情勢の変化を反映しています。

紙幣のデザイン

CFPフランの紙幣は、1965年から海外通貨発行機関（IEOM）によって発行が開始されました。当初はニューヘブリディーズ諸島（現在のバヌアツ）でのみ発行され、その後、ニューカレドニアとフランス領ポリネシアでも発行されるようになりました。1985年には、両地域共通の1万CFPフラン紙幣が発行され、その後、500フラン、1000フラン、5000フランの紙幣も共通化されました。

紙幣のデザインは、1969年から2014年まで基本的な変更はありませんでした。表面にはニューカレドニアの風景や歴史的な人物が描かれ、裏面にはフランス領ポリネシアの風景や人物が描かれています。2014年にデザインが変更され、現代的なデザインへと刷新されました。

硬貨の種類

CFPフランの硬貨は、2021年に最新のデザインに更新されました。現在流通しているのは、5, 10, 20, 50, 100, 200フランの6種類です。材質は、5フランがステンレス、10フランと20フランが白銅、50フランと100フランが白銅とアルミニウムの合金、200フランが外周が白銅で内側が白銅とアルミニウム合金のバイメタル貨となっています。

かつて発行されていた1フランと2フランの硬貨は2021年に流通が停止され、現金支払い時には、フラン単位の一の位について二捨三入七捨八入の処理が行われるようになりました。

まとめ

CFPフランは、フランス領太平洋地域における重要な通貨であり、その歴史はフランスの通貨政策や国際的な経済情勢と密接に結びついています。紙幣や硬貨のデザインは、この地域の文化や歴史を反映しており、観光客にとっても興味深い要素と言えるでしょう。CFPフランの存在は、フランスと太平洋地域との繋がりを象徴しており、その経済的な役割は今後も重要なものとなるでしょう。

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