バトルフィールドV

バトルフィールドV：第二次世界大戦を舞台にした大規模戦争ゲーム

2018年11月20日、エレクトロニック・アーツより発売された『バトルフィールドV』（以下BFV）は、PlayStation 4|PlayStation_4、Xbox One、Microsoft Windowsに対応した、第二次世界大戦を舞台にしたファーストパーソン・シューティングゲームです。シリーズナンバリングはローマ数字のVを使用しており、これは「V for Victory」キャンペーンに由来しています。

開発の経緯と特徴

『バトルフィールド1943』以来10年ぶりの第二次世界大戦設定ということもあり、最新のゲーム技術を用いた高精細なグラフィックと、従来作品ではあまり描かれてこなかった、マイナーな戦闘や出来事にも焦点を当てた点が大きな特徴となっています。また、シリーズ初となるバトルロイヤルモード「ファイアストーム」の導入も話題を呼びました。当初は2018年10月19日の発売予定でしたが、ゲームプレイの最終調整のため延期されました。PC版にはリアルタイム・レイトレーシングにも対応しており、よりリアルなグラフィックが楽しめます。ただし、この機能を使用するとPCへの負荷が大きくなり、フレームレートの低下につながる点には注意が必要です。2020年4月には、新規コンテンツの追加が終了しました。

シングルプレイ：大戦の書

シングルプレイキャンペーンは「大戦の書」として複数のエピソードで構成されています。発売時にはプロローグを含む4つのストーリーがプレイ可能で、追加のストーリーは無料DLC「タイド・オブ・ウォー」で配信されました。『バトルフィールド1』との繋がりを感じさせる描写も見られます。

エピソード解説

プロローグ（Prologue）：1939年から1944年までの第二次世界大戦における様々な戦闘を、異なる兵士や陣営の視点から体験できるチュートリアル的なエピソードです。
旗なき戦い（Under No Flag）：北アフリカを舞台に、イギリス人犯罪者が特殊部隊の一員としてドイツ軍の飛行場を爆破する任務に挑みます。
北極光（Nordlys）：ノルウェーで、ドイツの重水生産工場を破壊しようとするレジスタンスの少女の物語です。ガンナーサイド作戦がモチーフとなっています。
ティライユール（Tirailleur）：南フランスを舞台に、セネガル人兵士が自由フランス軍の一員として戦う姿を描いています。植民地兵の冷遇や差別といったテーマも扱われています。
最後の虎（The Last Tiger）：終戦間近のドイツで、ティーガーI戦車の車長がアメリカ軍と対峙する物語。枢軸国側の視点で描かれる珍しいエピソードです。

マルチプレイ：多様なゲームモードと新システム

BFVのマルチプレイは、シリーズおなじみの「コンクエスト」や「チームデスマッチ」に加え、新たなゲームモードやシステムが導入されました。

新システム

消耗戦システム：弾薬の携帯数が制限され、マップ上の補給ポイントで補給する必要があります。
グランド・オペレーション：最大4日間におよぶ大規模作戦を、異なるルールで対戦する新たなゲームモードです。
スポットシステムの変更：スポットされた敵の位置情報は、同じ分隊員にのみ共有されるようになりました。
分隊蘇生機能：同じ分隊内であれば、兵科を問わず蘇生が可能になりました。
フォーティフィケーションシステム：土嚢やバリケードなどを設置して防御陣地を構築できます。
支援要請システム：分隊ポイントを消費して、砲撃や戦車などの支援を要請できます。
中隊システム：兵士の外見や武器、装備をカスタマイズできます。
コンバットロールシステム：兵科ごとに異なる役割を選択できます。

ゲームモード

コンクエスト：複数の拠点を奪い合う、シリーズ定番のゲームモードです。
チームデスマッチ：制限時間内に敵を倒し、チケットを減らすことを目指すモードです。
ドミネーション：3つの拠点を巡って戦うモードです。
フロントライン：マップ上に並んだ拠点を順番に奪い合うモードです。
グランド・オペレーション：複数のゲームモードを組み合わせて、大規模な作戦を展開するモードです。
エアボーン：輸送機から降下し、火砲を破壊するモードです。
ファイナルスタンド：リスポーン不可能なバトルロイヤル形式のモードです。
ブレークスルー：拠点を制圧していくモードです。
ラッシュ：ブレークスルーに似たモードです。
分隊コンクエスト：小規模マップで戦うコンクエストです。
ファイアストーム：バトルロイヤルモードです。
アウトポスト：電波塔を建設し、新兵を確保するモードです。
戦略コンクエスト：特殊なルールで戦うコンクエストです。
練習モード：射撃訓練やビークル操作の練習ができるモードです。
協力プレイモード：「コンバインド・アームズ」があります。

マップ

BFVには、様々なマップが用意されています。第二次世界大戦における様々な地域や戦闘が舞台となっており、それぞれに特徴的な地形や構造が再現されています。主なマップをいくつか挙げると以下のようになります。

Twisted Steel
Arras
Rotterdam
Devastation
Hamada
Aerodrome
Narvik
Fjell 652
Panzerstorm
Mercury
Marita
Al Sundan
Lofoten Islands
Provence
Operation Underground
Iwo Jima
Wake Island
Pacific Storm
Solomon Islands
Al Marj Encampment

ダウンロードコンテンツ：タイド・オブ・ウォー

BFVでは、従来のプレミアムパスや拡張パックの代わりに、「タイド・オブ・ウォー」という無料のアップデートが配信されました。このアップデートでは、新たな装備、スキン、ゲームモード、マップなどが追加されました。

評価と反響

BFVは発売前に、歴史的正確性や女性の描写に関する批判を受けました。開発側は、現実性よりも楽しさを重視していると説明し、多様性のあるゲームを目指したと主張しました。発売後の評価は、海外メディアでは概ね好評でしたが、PS4版はやや低めの評価となっています。Game Informerは、今後のコンテンツ追加に期待感を示しました。GamesRadar+は、ゲームプレイは評価しつつも、オンラインマルチプレイヤーに批判的な見解を示しています。

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