バハ・カリフォルニア半島

バハ・カリフォルニア半島

バハ・カリフォルニア半島は、メキシコの西部に広がる長大な半島であり、北はティフアナから南端のサンルカス岬までの距離は約1,250 kmに及びます。この半島は、太平洋とカリフォルニア湾（コルテス海）に挟まれた独特の地理的特性を持っているため、観光や自然探訪に多くの魅力を提供しています。国別の分割では、北部に位置するのがバハ・カリフォルニア州、南部がバハ・カリフォルニア・スル州と呼ばれます。全体として「バハ・カリフォルニア」とも総称されることがあります。

歴史的背景

この半島は、探検家のエルナン・コルテスによって1533年に発見されたことに端を発しています。彼は当初、島だと誤認し、「カリフォルニア島」と名付けました。この誤解はヨーロッパ人の間で続き、18世紀後半まで解消されることがなかったのです。スペインの植民者たちは「ラス・カリフォルニアス」と呼ばれ、この地域は北部と南部に分けられました。

地理・地質

バハ・カリフォルニア半島は、南北に走る山脈（ペニンシュラ・レンジ）が特徴で、カリフォルニア州南部ともつながっています。特に、シエラ・フアレス山脈やシエラ・サンペドロ・マルティル山脈は、標高が高く、自然の美しさや多様な生態系を形成しています。エンカンターダ山は最高峰であり、バハ・カリフォルニア・スル州の南境にはトレス・ビルヘネスの火山群があります。

半島は乾燥した砂漠地帯が広がり、特にカリフォルニア湾の乾燥林やソノラン砂漠が見られ、植生は独特です。北部と南端の山地には松やオークの林が存在するため、生態系のバラエティが豊かです。

主な都市

バハ・カリフォルニア半島には、数つの重要な都市があります。ティフアナは約130万人の人口を持ち、メキシコ国境近くに位置しています。州都のメヒカリは約69万人が暮らしており、エンセナダも同じく69万人ほどの人口を有する主要都市です。南部の州都ラ・パスは約18万人、さらに観光地として知られるカボ・サン・ルーカスには約5.7万人が住んでいます。

自然の魅力

カリフォルニア湾に面したバイア・デ・ロス・アンヘレスは美しいリゾート地であり、周辺には自然の島々（アンヘルデアグアルダ島、ティブロン島）が点在し、観光やエコツーリズムの場として知られています。また、太平洋側にはプンタ・エウヘニアがあり、周囲の海域にはイスラ・ナティヴィダードやセドロス島も含まれ、海の生物多様性も評価されています。

地形の発展

バハ・カリフォルニア半島は、かつてはメキシコ本土の一部でしたが、数百万年前に大地溝帯の形成によって大陸から切り離され、現在の地形が形成されました。いまだにプレートテクトニクスの影響を受けており、将来的には完全に北アメリカ大陸から独立することが示唆されています。

このように、バハ・カリフォルニア半島は自然、美、歴史、文化が交わる特別な場所であり、多くの見所があります。訪れる観光客に様々な体験を提供することでしょう。

もう一度検索