バフマン・ゴバディ

バフマン・ゴバディ: クルド人映画監督

バフマン・ゴバディ（Bahman Ghobadi）は、1969年2月1日にイランで生まれたクルド人の俳優、映画監督、脚本家です。彼はイランの大学で映画製作を学んだ後、初めは写真家としてキャリアをスタートさせましたが、次第に短編映画制作へと移行し、8mmフィルムでの作品を制作していきます。

映画監督としての活動

ゴバディは、著名な監督であるアッバス・キアロスタミの作品『風が吹くまま』に助監督および俳優として参加したことで、映画制作の現場での経験を深めました。彼は2000年に『酔っぱらった馬の時間』で映画監督としてのデビューを果たし、この作品はカンヌ国際映画祭でカメラ・ドールを受賞し、彼の名を広めるきっかけとなりました。

その後、2004年に作られた『亀も空を飛ぶ』では、シカゴ国際映画祭やベルリン国際映画祭を含む多くの映画祭で賞を受賞し、彼の映画製作に対する評価がさらに高まりました。このように彼の作品は、クルド人の視点から描かれるストーリーが多く、社会的なメッセージを含むことが特徴です。

プライベートと社会的活動

ゴバディは、ジャーナリストのロクサナ・サベリと婚約しています。彼女は2009年にイランでスパイ容疑で拘束され、その際にゴバディは彼女との婚約を公表し、ロクサナの無実を訴える声明を発表しました。この出来事は、彼の作品に対する社会的なメッセージや政治的な立場を象徴する出来事となりました。

彼は2009年に『ペルシャ猫を誰も知らない』を監督した後、イランの政権に反発して国外に亡命することを決断しました。この亡命は、ゴバディの表現活動にさらなる自由を与え、彼の独自の視点を世界に届けるための重要なステップとなりました。

主な作品

バフマン・ゴバディの監督作品には、以下のようなものがあります。

• - 酔っぱらった馬の時間 (Zamani barayé masti asbha, 2000): 監督・脚本・製作
• - わが故郷の歌 (Gomgashtei dar Aragh, 2002): 監督・脚本・製作
• - 亀も空を飛ぶ (Lakposhtha hâm parvaz mikonand, 2004): 監督・脚本・製作
• - 半月 (Half Moon, 2006): 監督・脚本・製作・美術
• - ペルシャ猫を誰も知らない (No One Knows About Persian Cats, 2009): 監督・脚本
• - サイの季節 (Fasle kargadan, 2012): 監督

また、彼の出演作品には、助監督や俳優としても参加した「風が吹くまま」（1999）や「ブラックボード 背負う人」（2000）などがあります。

まとめ

バフマン・ゴバディは、クルド人という独自の文化的バックグラウンドを持ち、社会的な問題をテーマにした映画を制作することで国際的な評価を受けています。彼の作品は、世界中の人々に感動を与えるとともに、クルド人コミュニティに新たな光を当てています。

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