バラム (悪魔)

バラムは、悪魔学において重要な位置を占める悪魔の一体です。特に有名な文献としては、『ゴエティア』や『悪魔の偽王国』にその名が記されています。

概要

『ゴエティア』では51番目、『悪魔の偽王国』では62番目に記述されており、強大な王として40もの軍団を指揮するとされています。その姿は非常に特徴的で、召喚者の前に現れる際は、三つの頭を持つ異様な姿をしています。具体的には、第一の頭は牡牛、第二の頭は人間、そして第三の頭は牡羊です。さらに、蛇の尾を持ち、燃えるように真っ赤な両眼を持つと描写されています。また、凶暴な熊に跨がり、拳にはオオタカ（または単に「タカ」）を乗せているとされています。

バラムはしわがれた声で語り、過去、現在、未来について正確な知識を提供すると言われています。また、人を不可視にする能力や、賢くする力を持つとも信じられています。『悪魔の偽王国』によれば、バラムは堕天する以前は主天使であったとされています。

異名と綴り

コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』では、バラムはバラン（Balan）という名前で記述されています。また、アレイスター・クロウリーとマグレガー・メイザースが編集した版の『ゴエティア』では、Balamという綴りの他に、Balaamという異綴りも記載されています。

参考文献

バラムに関する情報は、以下の文献に詳しく記述されています。

Johann Weyer, Pseudomonarchia Daemonum, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書（ラテン語および英文）
S.L. MacGregor Mathers and Aleister Crowley, The Lesser Key of Solomon(1904), p38-39 The Internet Sacred Text Archive 内の文書（英文）

これらの文献は、バラムに関する知識を深める上で非常に貴重な情報源となります。バラムは、その異形の姿と強力な能力から、多くの人々に畏怖と興味を持たれる存在であり、悪魔学の研究においても重要な位置を占めています。

もう一度検索