ハリー・リード

ハリー・メイソン・リードの生涯と業績

ハリー・メイソン・リード（1939年12月2日 - 2021年12月28日）は、アメリカ合衆国の政治界で重要な位置を占めた民主党の政治家です。彼はネバダ州において数々の政治的役職を歴任し、特に上院における長いキャリアで知られています。リードは、宗教的には末日聖徒イエス・キリスト教会の信者であり、そのバックグラウンドも彼の政治活動に影響を与えたと言われています。

初期の人生と教育

リードはネバダ州サーチライトに生まれ、炭鉱夫の家庭で育ちました。この小さな町はラスベガスから約50マイル南東に位置しており、彼の育ち方には地域の価値観が色濃く反映されています。高校ではフットボールとボクシングに積極的に取り組み、後に州知事となる教育者マイク・オカラハンと出会いました。

高校卒業後、南ユタ大学やユタ州立大学で学びましたが、大学時代にはアメリカ合衆国議会警察で勤務しつつ、ジョージ・ワシントン大学法学部を卒業しました。こうした経験が後の政治家としての基礎を築くことになりました。

政治キャリアの始まり

ネバダ州に戻ったリードは、ヘンダーソン市の代理人となり、1968年には下院議員選挙に出馬し当選。その後、1970年にはオカラハン知事の副知事候補として知事選に挑戦し、勝利を収めました。副知事としては1975年までの任期を全うしました。

彼の政治的キャリアは次第に広がり、1977年にはネバダ州ゲーミング委員会の委員長に就任しました。その後、1982年の中間選挙でアメリカ合衆国下院議員に初当選し、1983年から1987年までの期間、連邦下院で活動しました。

上院での活動

1986年、リードは上院議員選挙に挑戦し、見事当選。そこから5期30年にわたり議席を保持しました。また、1999年から2005年にかけて上院民主党の院内幹事を務めた後、2005年から2016年まで上院民主党の院内総務として党を束ねました。この間、特に2008年の大統領選挙では、オバマ政権の誕生に寄与し、民主党のリーダーシップを強化しました。

2010年の中間選挙でも、逆風にもかかわらず、5選を果たした彼の政治的手腕は評価されました。リードは、上院内での党の立場を守るため奮闘し、2015年には再選を目指さないことを決めました。2016年11月に院内総務を退任し、彼の政治活動は次の世代に引き継がれることとなりました。

膵臓がんとの闘病

リードは2018年に膵臓がんと診断され、その後も闘病生活を送りました。2021年12月28日、ネバダ州の自宅にて82歳で亡くなりました。なお、彼が逝去する2週間前には、ラスベガス近郊のマッカラン国際空港が「ハリー・リード国際空港」と改名されるなど、彼の遺産は今も続いています。

発言と影響

リードは、オリンピックユニフォームが中国製であることに対する意見や、NFLにおける人種差別的なチーム名に関する発言など、物議を醸す発言が多くありました。特に、アメリカオリンピック委員会の判断を批判したことは彼の強い政治的姿勢を示す一例です。

リードの政治キャリアは、彼が持つリーダーシップと視点から多くの人々に影響を与え、アメリカの政治史における重要な人物の一人として位置づけられています。

もう一度検索