バルカー島の戦い

バルカー島の戦い (Battle of Valcour Island)

バルカー島の戦いは、アメリカ独立戦争の最中、1776年10月11日から13日にかけてニューヨークのシャンプレーン湖で行われた重要な水上戦です。この戦いはアメリカ海軍にとって初めての水上戦とされ、双方の軍にとって大きな戦略的意義を持っていました。

戦争の背景

1775年から1776年にかけて、大陸軍はカナダへの侵攻を試みましたが、結果は失敗に終わりました。この結果、イギリス軍はモントリオールを奪還し、シャンプレーン湖を介してニューヨークとの連絡を強化しようとしました。湖の南端が大陸軍に占拠されていたため、この地域の制海権が戦局を大きく左右する要因となりました。

戦闘の準備

両軍は水上戦力の強化に取り掛かりました。イギリス軍は北端からリシュリュー川を経由して艦隊を建造し、十分な資材を本国から輸送しました。一方、大陸軍はスケンスボロで少数の艦船を準備しましたが、装備と火力ではイギリス軍に対抗できない状態でした。

戦闘の開始

戦闘は1776年10月11日の正午ごろに開始されました。アーノルドは湖岸の狭い水域で戦うことで、劣る戦力でもイギリス軍に対抗できると判断しました。イギリス艦隊は大陸軍艦隊と接触し、試合は約5時間にわたって激闘となりました。大陸軍は被弾が多く、主要艦船が多く損傷し沈没しました。また、アーノルドの指揮する艦もいくつかの問題に直面しました。

戦闘の展開

戦闘が進むにつれ、大陸軍は被害を拡大しました。特に、アーノルドの旗艦ロイヤル・サベージは座礁し、乗員は自衛のために火を放つことを余儀なくされました。夜が明ける頃、大陸軍の艦艇はほとんど被害を受け、一方でイギリス軍も軽微な被害を受けました。アーノルドは戦局が不利と判断し、撤退を決定しました。

撤退とその後

アーノルドは、夜の闇に紛れてイギリス艦隊の目を逃れ、南端のクラウンポイントに向かうことを試みました。しかし、悪天候が影響し、途中で遭難した艦も多く見られました。10月12日、アーノルドの艦艇の一部が座礁したり、命令通りの行動ができなくなる中、イギリス艦隊がついに追いつき、さらなる損失をもたらしました。

戦闘の結果と影響

最終的に、アーノルドは数名の兵士と共に徒歩でクラウンポイントにたどり着きました。大陸軍の損失は80名以上が死傷し、120名が捕虜となりました。一方、イギリス軍は勝利を収めて制海権を握ったものの、冬の到来のために更なる攻勢を断念せざるを得ませんでした。結果的に、アーノルドの抵抗により、イギリス軍の北部への侵攻が遅れ、1777年のサラトガの戦いに繋がる重要な戦局へとつながりました。

この戦いは、アメリカ独立戦争の中での大陸軍の奮闘と、イギリス軍の制海権奪取の重要性を示すものです。

もう一度検索