バルダ (ドイツの企業)

バルダAGの歴史と事業展開

バルダAG（Balda AG）は、ドイツのバート・エーンハウゼンに本社を構える企業です。創業当初はカメラメーカーでしたが、事業転換を経て、現在はプラスチック製の医療機器や電子機器の開発・製造を主力としています。1908年にマックス・バルデヴェックによってドレスデンで設立されたバルダは、当初カメラ製造会社としてスタートしました。しかし、第二次世界大戦後、西ドイツへ本社を移転。1980年代には、日本をはじめとする極東のメーカーとの競争激化により、カメラ製造から撤退し、プラスチック製品の生産に注力しました。

事業の多角化と再編

1994年以降、バルダは電気通信、自動車、そして医療技術の分野に注力し、事業の多角化を進めました。2000年には、バート・エーンハウゼンに大規模な工場を開設し、生産体制を強化しました。株式は1999年からフランクフルト証券取引所に上場し、新市場であるノイエ・マルクトに置かれました。一時SDAXから除外されましたが、後に再編入を果たしています。

2007年以降、バルダは事業再編を積極的に行いました。子会社の売却や買戻しを繰り返した後、2008年にはハンゼ産業合同へ複数の子会社を売却しています。また、経営体制も度々変更され、2008年以降には複数のCEOが交代しています。

近年の動向と今後の展望

2011年にはモバイルコムを売却し、赤字部門の整理を実施。2012年には、医療機器事業の強化を表明し、電子機器部門の再編を進める方針が示されました。また、中国のTPKホールディングへの出資を通じて、タッチスクリーン技術を獲得しましたが、徐々にその関与を縮小し、株式を売却しています。この売却で得た資金は、株主への特別配当として分配される予定です。

事業部門

バルダの主な事業部門は以下の通りです。

医療機器: プラスチック製の医療機器を開発・製造しており、製薬、診断、治療などの分野で利用されています。
電子機器: バルダブランドで電子機器を製造し、通信機器や家電製品の製造・販売事業者に提供しています。

グループ企業

バルダは以下のグループ企業を抱えています。

医療機器: Balda Medical GmbH & Co. KG
電子機器: Balda Solutions Malaysia Sdn. Bhd

株主構成

2012年5月末現在の主な株主構成は以下の通りです。

流動株主（3%未満）：53.83%
Yield Return Investments Limited：27.60%
Octavian Advisors：5.22%
Senrigan Capital Group：5.09%
Weiss Asset Management/Brookdale International Partners：4.97%
Point Lobos Capital：3.16%

まとめ

バルダAGは、カメラ製造からスタートし、幾多の変遷を経て、現在は医療機器と電子機器の製造に注力しています。事業の多角化、再編、経営体制の変更を経験しながら、医療機器事業の強化を目指しており、今後の動向が注目される企業です。

もう一度検索