バルチク

バルチク：歴史と自然が織りなす黒海沿岸の宝石

バルチクは、ブルガリア北東部のドブリチ州に位置する美しい港町です。古代ギリシャ時代からその歴史を刻み、多様な文化の影響を受けながら発展してきました。現在は、黒海沿岸のリゾート地として知られ、多くの観光客を魅了しています。

古代から中世へ：多様な文化の交差点

バルチクの起源は古く、古代ギリシャの植民地クルーノイとして始まりました。その後、ディオニュソポリスと名を変え、東ローマ帝国の時代までその名を受け継ぎました。オスマン帝国統治下では、現在のバルチクという名で呼ばれるようになり、ガガウズ語で「小さな町」を意味するとされています。また、カルヴナ大公国の統治者バリクに由来するという説もあります。

ブルガリア解放後：リゾート地としての発展

ブルガリア解放後、バルチクは農業地帯の拠点として発展し、コムギの輸出港として重要な役割を果たしました。近年では、隣接するアルベナとともに、ビーチリゾート地として発展を遂げています。かつてはガガウス人、タタール人、トルコ人が多数を占めていましたが、現在はブルガリア人が多数を占めています。しかし、今もなお多くのトルコ人が暮らしており、オスマン帝国時代のモスクが残されています。

1913年から1916年、そして1919年から1940年まで、バルチクはルーマニアの統治下にありました。

バルチク宮殿：ルーマニア王妃の愛した場所

ルーマニア統治時代、バルチク宮殿はルーマニア王妃マリアとその家族にとってお気に入りの夏の避暑地でした。マリア王妃は、自身のオリエンタル・ヴィラに心臓を収めるように遺言しましたが、1940年に南ドブルジャがブルガリアに返還された際、心臓はルーマニアに移送されました。現在、バルチク宮殿と隣接する植物園は、バルチクの主要な観光名所となっています。

近隣の観光スポット：ゴルフと自然

バルチクの近隣には、カヴァルナにゲーリー・プレーヤーとイアン・ウーズナムがデザインした3つの18ホールのゴルフコースがあります。

また、バルチク自治体にはアルベナという美しい村落があります。アルベナは黒海沿いの観光地として建設され、統一感のある独特な建築が特徴です。海岸沿いには多くのホテルが立ち並び、美しい砂浜と温暖な気候が観光客を魅了しています。アルベナには、長さ5キロメートルにわたる砂浜があり、良質で清潔な砂が特徴です。また、ホテルからはバルタタ国立保護区を望むことができ、濃密な森林と海の眺めを同時に楽しむことができます。

バルチクを訪れる

フランシス・フォード・コッポラ監督は、映画『コッポラの胡蝶の夢』の撮影のために11日間バルチクに滞在しました。南極大陸のバルチク峰は、この町にちなんで名づけられました。

バルチクは、歴史、文化、自然が融合した魅力的な町です。黒海沿岸を訪れる際には、ぜひバルチクに足を運んでみてください。

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