バルナウル市電

バルナウル市電について

バルナウル市電は、ロシアのバルナウル市で運行されている路面電車です。運営はバルナウル市内の企業「ゴルエクトロトランス」が行い、2020年現在でも市民にとって便利な公共交通機関として機能しています。市電は広範な路線網を有し、市内の輸送を支えています。

歴史的背景

バルナウル市電の計画は、1910年代のロシア帝国時代から存在していましたが、第一次世界大戦やロシア革命、さらには1917年の大火災などの影響で、実現が遅れました。交通手段の不足が深刻化していたソビエト時代の1941年にも、バルナウル市からの再度の要望がありましたが、こちらも第二次世界大戦の影響で立ち遅れました。最終的に路面電車が営業を開始したのは1948年11月7日でした。

開通当初は、他都市からの譲渡車両が導入されていたものの、故障が頻発し、適切な車庫もありませんでした。しかし、1949年に第一車庫が完成したことで状況が改善し、それ以降は路線と利用者数が徐々に増加していきました。1970年代には、チェコスロバキア製の大型ボギー車の導入も行われ、さらなる発展が見込まれました。人口の増加を考慮し、より高速な路線（ライトレール）の建設も計画されましたが、実現には至りませんでした。

1990年代にはソビエト連邦の崩壊があり、ゴルエクトロトランスがバルナウル市電を引き継ぐ形となります。その後、2000年代以降は近代化が進み、2009年には超低床電車が導入されました。さらに2019年からは非接触式ICカードによる運賃決済も導入され、利用者にとって利便性の高いシステムが整えられました。老朽化した線路や関連施設の更新工事も行われていますが、財政的な問題は依然として課題です。地下区間を含む延伸計画は、今後の見通しが立っていない状況です。

現在の運用状況

2020年現在、バルナウル市電にはいくつかの系統がありますが、一部の系統は路線改修のため運休しています。運賃はトロリーバスと共通で、現金の支払いは23ロシア・ルーブル、非接触式ICカードを利用する場合は21ルーブルです。これにより、より簡便に乗車できるようになっています。

車両について

バルナウル市電に在籍する営業用車両は、主に超低床電車を中心とした形式が多いです。2009年以降は、ゴルエクトロトランスが策定した長期計画に基づき、超低床電車の増強や既存車両の更新が進められています。車庫は3箇所あり、営業用車両は第1と第3車庫に配置され、残りの1箇所は事業用車両や車両メンテナンス用に利用されています。また、動態保存として2軸車のKhが1両、観光用に改装されたタトラT6B5SUが1両存在します。

バルナウル市電は、地域の公共交通として重要な役割を果たしており、今後の発展に向けた動きが期待されています。

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