バルナウル

バルナウル：シベリアの歴史と工業の中心都市

バルナウル（Barnaul、ロシア語: Барнау́л）は、ロシア連邦の都市であり、シベリア連邦管区に属するアルタイ地方の行政的な中心都市です。人口は約63万人（2021年現在）で、ノヴォシビルスクの南220kmに位置しています。

地理

バルナウルは、西シベリア平原のオビ川沿いに開けた町です。アルタイ山脈に最も近い大都市であり、カザフスタン、モンゴル、中国といった国境にも比較的近い場所に位置しています。この地理的な特徴が、バルナウルの歴史と発展に大きな影響を与えてきました。

歴史

18世紀初頭、バルナウルはアルタイ山脈周辺の豊かな鉱物資源とオビ川の水運を利用できる利点に着目したデミドフ家によって建設されました。1730年代には銅の採掘が始まり、1747年には銀鉱山が発見され、この地は急速に発展しました。デミドフ家の工場は後にロシア皇帝に接収され、ロシアの銀生産の中心地となりました。19世紀初頭には、ロシアで生産される銀の90%がアルタイ地方産であり、バルナウルにはロシア最大の銀精錬工場が置かれ、その生産量の増加とともに市の人口も増加しました。20世紀初頭には、バルナウルは地域の交易と文化の中心地となり、トルキスタン・シベリア鉄道の開通によって交通の要衝としての役割も担うようになりました。

第二次世界大戦中、多くのアルタイ地方の人々が戦場に送られ、数多くの命が失われました。戦地から遠く離れていたバルナウルには、ロシア正教の教会や戦没者慰霊碑が建てられています。戦争を逃れるために多くの工場がバルナウルに疎開し、戦後、市の工業は飛躍的に発展しました。現在でもロシア最大の兵器工場の1つがこの地に存在しています。

また、戦後には第128収容施設（ラーゲリ）が設置され、シベリア抑留の対象となった日本人捕虜が収容されました。これらの歴史的な背景は、今日のバルナウルを形成する上で重要な要素となっています。

現在のバルナウルは、西シベリア最大の工業都市であり、約12万人の労働者が100を超える企業で働いています。ダイヤモンドの研磨も市の新しい産業であり、ロシアでは唯一、バルナウルでのみ行われています。

姉妹都市

バルナウルは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

フラッグスタッフ（アメリカ合衆国）
サラゴサ（スペイン）
新疆ウイグル自治区（中国、2007年提携）
オスケメン（カザフスタン、2012年提携）

気候

バルナウルは、シベリアのステップ地帯の南端に位置するため、夏と冬の気温差が非常に激しい気候です。厳しい冬の寒さと、短いながらも温暖な夏が特徴です。

関連項目

バルナウル市電

外部リンク

バルナウル市公式サイト

バルナウルは、その歴史と地理的な背景から、多様な側面を持つ都市であり、シベリア地方における重要な都市の一つとして発展を続けています。

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