バルバドスの国旗

バルバドスの国旗：デザインと象徴

バルバドスの国旗は、1966年11月30日の独立を機に制定され、国民のアイデンティティを象徴する重要な役割を担っています。そのデザインは公募によって選ばれ、美術教師グラントリ・プレスコッド氏の案が採用されました。

デザイン

旗は、鮮やかな青、金色、そして黒の3色で構成されています。

青色: 旗の左右に配置された青色は、バルバドスを囲むカリブ海と大西洋、そして広大な空を表しています。この青色は、島国としてのバルバドスの地理的な特徴と、その美しい自然環境を象徴しています。
金色: 中央に位置する金色の部分は、バルバドスの美しい砂浜を表しています。この金色は、観光資源としても重要な砂浜の美しさを強調し、国の繁栄を願う意味も込められています。
黒色: 金色地の中央には、印象的な三叉戟（さんさげき）があしらわれています。これは、独立前のバルバドスの記章に描かれていた、海の支配者ブリタニア像が持っていた矛をモチーフにしたものです。しかし、この矛は折れた状態で描かれており、植民地時代からの決別を象徴しています。

三叉戟の意味

三叉戟は、ギリシャ神話の海の神ポセイドン（ローマ神話ではネプチューン）のシンボルとしても知られています。バルバドスの国旗における三叉戟は、単なる神話的なシンボルではなく、より深い意味を持っています。三叉のそれぞれの先端は、「民主主義」「政府議会」「民衆」という、バルバドスの社会を支える三つの柱を象徴しています。これは、国民が一体となって国を築き、民主的な社会を推進していくという決意の表れと言えるでしょう。

海の重要性

バルバドスにとって、海は単なる地理的な要素以上の意味を持っています。古くから漁業や貿易の拠点として、海の恩恵を受けて発展してきました。そのため、国旗に海の神のシンボルである三叉戟を配することで、バルバドスと海との深いつながりを強調し、海の恵みへの感謝と、海洋国家としての誇りを示しているのです。

まとめ

バルバドスの国旗は、その美しい色彩と象徴的なデザインを通じて、国の歴史、文化、そして未来への希望を表現しています。青い海と空、金色の砂浜、そして三叉戟は、バルバドスの国民にとって、誇り高いアイデンティティの象徴なのです。

参考文献
辻原康夫編著『世界の国旗大百科』第2版（人文社, 2003年3月）
* フラッグ・インスティチュート編著『世界の国旗』（矢野真弓、三浦真司、浜崎祐子訳, 新樹社, 2006年8月）

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