バルバロッサ

バルバロッサ

バルバロッサ（Barbarossa）は、イタリア語に由来する言葉で、「赤ひげ」という意味を持ちます。これは、イタリア語で「髭」を意味する barba と、「赤い」を意味する rossa を組み合わせたものです。この名称は、歴史上の様々な人物、出来事、または事物に関連付けられて用いられてきました。

神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世

「バルバロッサ」という名称が最も広く知られているのは、12世紀に神聖ローマ皇帝として在位したフリードリヒ1世（在位: 1152年-1190年）の異名としてです。シュタウフェン朝の皇帝である彼は、その特徴的な赤い髭からイタリアで「バルバロッサ」（赤ひげ）と呼ばれました。彼は神聖ローマ帝国の支配権確立を目指し、イタリア政策に力を注ぎ、また第3回十字軍に参加するなど精力的に活動しました。その勇猛さや統治手腕から「バルバロッサ」の異名は力強い皇帝のイメージと結びつき、後世にまで語り継がれています。

その他の「バルバロッサ」

歴史上の人物以外にも、「バルバロッサ」と名付けられた事例は複数存在します。

小惑星: 太陽系小惑星帯に位置する小惑星の一つ（小惑星番号：1860）に、「バルバロッサ」という名前が付けられています。
ボードゲーム: 戦争や歴史をテーマにしたボードゲームの中にも、「バルバロッサ」という名称を持つものがあります。
バルバロッサ作戦: 20世紀の第二次世界大戦における重要な軍事作戦の一つです。ナチス・ドイツがソビエト連邦へ侵攻するために立案・実行した大規模な作戦のコードネームとして用いられました。1941年6月に始まり、独ソ戦の幕開けとなり、第二次世界大戦の展開に決定的な影響を与えたことで知られています。

「バルバロス」という名称

「バルバロッサ」という言葉が時代を経て転訛し、「バルバロス（Barbarus）」という名称も生まれました。これも同様に「赤ひげ」を意味する言葉です。

特に有名なのは、16世紀初頭の地中海世界で活躍した海賊であり、後にオスマン帝国に仕えてその海軍を率いた「バルバロス兄弟」です。彼らはアルジェなどを拠点にバルバリア海賊として名を馳せ、当時の地中海におけるパワーバランスに大きな影響を与えました。

バルバロス・オルチ（Oruç Reis）: 兄にあたり、地中海で勢力を拡大しました。
バルバロス・ハイレッディン（Hayreddin Barbarossa）: 弟にあたり、兄の死後、後を継いでオスマン帝国に身を投じ、スレイマン1世に仕えました。オスマン帝国艦隊の総司令官であるカプタン・パシャに任じられ、地中海の制海権を巡る戦いで活躍しました。

関連情報

「バルバロッサ」およびその転訛である「バルバロス」という名称は、いずれもイタリア語の「赤ひげ」に由来し、異なる時代や分野で用いられていますが、「赤ひげ」という特徴的なイメージを共有しています。

関連項目

赤ひげ (曖昧さ回避)

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