バレークイーン

バレークイーン (Ballet Queen)

バレークイーンはアイルランドで生まれた繁殖牝馬で、素晴らしい血統と多くの優秀な産駒で知られています。彼女の母親は名牝のサンプリンセスで、オークスやヨークシャーオークスなどの競走を制した実績を持つ一流馬です。バレークイーン自身は競走馬としてのキャリアを持たず、1992年に妊娠した状態で社台ファーム早来に輸入されました。翌年には、東京優駿（日本ダービー）を制するフサイチコンコルドを出産。このように、彼女は家庭内の競走馬たちに多大な影響を与える存在となりました。

その後、バレークイーンは日本の有名な種牡馬、トニービンやサンデーサイレンスと交配し、さらに多くの優れた産駒を育てました。特に、皐月賞馬のアンライバルドや重賞馬のボーンキング、また種牡馬としても知られるミラクルアドマイヤなど、数多くの名馬を生み出しています。フサイチコンコルドとアンライバルドは、一族において非常に重要な位置を占めており、彼らの存在はバレークイーンの名声を高める要因となっています。

牝系の観点から見ると、バレークイーンの産駒は非常に優秀で、グレースアドマイヤは皐月賞馬のヴィクトリーや重賞馬のリンカーンを生み出しました。これにより、彼女の血統は広がり、多くの競走馬たちの基盤となっています。

しかし、バレークイーンの産駒については、見た目は優れていますが、一部には精神面での問題を抱えている馬もいると、元騎手の田原成貴が指摘しています。彼は自ら管理したフサイチミニヨンについて、調教では競走馬としてのポテンシャルを示したものの、他の馬を過度に怖がる性格のために競走能力を生かせず、引退せざるを得なかったと述べています。フサイチミニヨンは繁殖牝馬としても重賞馬のアンブロワーズを輩出しています。

また、アンライバルドの管理調教師である友道康夫は、バレークイーンの運動不足について語り、彼女の仔馬たちが母馬に付き添って育った結果、体重が重くなりがちだったと指摘しました。それを改善するために、ノーザンファームではアメリカから装蹄師を呼び、削蹄を行わせたところ、バレークイーンが普通に歩けるようになり、その後に生まれたアンライバルドが皐月賞を制覇しました。

残念ながら、バレークイーンは2010年6月2日に亡くなり、以降は繁殖牝馬としての活動が停止されました。彼女の血統は現在も影響を与え続けており、多くの競走馬たちの中にその名を刻んでいます。

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