バンク・オブ・アメリカ・スタジアム

バンク・オブ・アメリカ・スタジアム：カロライナの熱狂を呼ぶ多目的スタジアム

バンク・オブ・アメリカ・スタジアムは、アメリカ合衆国ノースカロライナ州シャーロットに位置する多目的スタジアムです。NFLのカロライナ・パンサーズとMLSのシャーロットFCが本拠地として使用しており、地域に根ざしたスポーツ文化の中心地となっています。2002年からは、NCAAカレッジフットボールのボウル・ゲームであるメイネケ・カー・ケア・ボウル（旧ベルクボウル）の開催地としても知られています。

建設の背景：NFLチーム誘致への情熱

スタジアム建設のきっかけは、1987年にシャーロットにNBAのシャーロット・ホーネッツが誕生したことに遡ります。この動きに触発された元NFL選手のジェリー・リチャードソンは、カロライナ地域へのNFLチーム誘致を目指し、様々な関係者との協議を重ねました。

リチャードソンのグループは、70,000人収容可能な新スタジアムを公的資金に頼らず建設するという大胆な計画を発表しました。この発表は地元で大きなムーブメントを巻き起こし、政財界や市民が一体となってNFLチームの誘致を支持する姿勢を示しました。ノースカロライナ州選出のジェシー・ヘルムズ上院議員（共和党）とサウスカロライナ州選出のアーネスト・ホリングス上院議員（民主党）は、党派を超えてNFLオーナー陣に働きかけ、両州知事も委員会を設置して誘致活動を後押ししました。

さらに、NFLのプレシーズンゲームや他のフットボールの試合にも多くの観客が訪れ、カロライナ地域におけるフットボールへの関心の高さを示しました。1993年、リチャードソンのグループはスタジアム建設資金の一部をラグジュアリー・ボックスの販売から賄うことを発表すると、チケットは1日で完売しました。

1993年、NFL機構はカロライナ地域への新球団設立を正式に決定しました。リチャードソンは、新スタジアムが市民の税負担なしで建設されることを約束し、建設が開始されました。

スタジアムの誕生と名称の変遷

1995年に誕生したカロライナ・パンサーズは、最初のシーズンをクレムゾン大学のメモリアル・スタジアムを間借りして過ごしました。翌1996年、新スタジアムが完成し、パンサーズは本拠地を移転しました。スタジアムは当初カロライナス・スタジアムと呼ばれていましたが、開場と同時にエリクソン・スタジアムに名称を変更しました。これは、スウェーデンの通信機器メーカーであるエリクソンが10年間2000万ドルで命名権を取得したことによるものでした。しかし、2004年にエリクソンが命名権契約を解除したため、地元の銀行であるバンク・オブ・アメリカが20年契約で命名権を取得し、現在のバンク・オブ・アメリカ・スタジアムという名称になりました。

スタジアムの歴史：スポーツとエンターテイメントの殿堂

バンク・オブ・アメリカ・スタジアムは、1994年4月22日に着工され、1996年8月3日に開場しました。開場に先立ち、パンサーズ対シカゴ・ベアーズのプレシーズンマッチが開催され、パンサーズが30-12で勝利を収めました。レギュラーシーズンの初戦は1996年9月1日に行われ、パンサーズがアトランタ・ファルコンズを29-6で下しました。

スポーツイベント以外にも、1997年10月10日にはローリング・ストーンズがライブを開催するなど、様々なエンターテイメントイベントも開催されています。2010年3月24日には、サッカーの国際親善試合としてメキシコ代表対アイスランド代表の試合が開催され、0-0の引き分けとなりました。2022年からは、MLSのシャーロットFCが本拠地として使用を開始し、スタジアムの利用範囲はさらに広がっています。

バンク・オブ・アメリカ・スタジアムは、カロライナ地域のスポーツとエンターテイメントの中心地として、これからも多くの人々に感動と興奮を提供し続けるでしょう。

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