バンク・コンピュータ・サービス

株式会社バンク・コンピュータ・サービス（BCS）について

株式会社バンク・コンピュータ・サービス、通称BCSは、大阪府泉佐野市に本社を構え、主に旧泉州銀行、大正銀行、鳥取銀行などの地域銀行を対象に、システムの企画、開発、運用、保守を行っていた企業です。この会社は銀行側のニーズに応える形で設立され、主要な業務を銀行の主導で行っていたのが特徴です。

設立の背景

BCSは、泉州銀行、鳥取銀行、TIS、日立製作所が共同出資して誕生しました。参加した銀行は、三和銀行（現在の三菱UFJ銀行）との密接な関係を持つ地銀であり、システムの共同化を図るための組織として機能しました。システムの設計から運用に至るまでBCSが一貫して担当しており、そのプラットフォームは日立製作所製のメインフレーム上で稼動していました。

事業の展開と転換

2001年には泉州銀行と鳥取銀行がBCSの共同利用型基幹システムへと移行し、業務を開始しました。その後、2003年には大正銀行がプロジェクトに参加しましたが、出資は行わず、参加形態にとどまりました。また、2004年には愛知県にバックアップセンターを設置し、システムの安定性を向上させました。

大正銀行は2005年に共同利用型基幹システムに移行しましたが、2010年には泉州銀行が池田銀行に吸収され、その後のシステム運用は池田泉州銀行の旧泉州店部分を中心に行いました。2012年には、池田泉州銀行がNTTデータの地銀共同センターへと移行し、BCSはそのシステムから離脱することとなりました。さらに、同年5月には鳥取銀行も同様にシステムを変更し、2015年には大正銀行がNEXTBASEに移行しました。

解散とその後

これらの変遷を経て、2015年3月31日にBCSは解散を決定しました。その後の2016年7月28日に清算手続きが完了し、正式に事業が終了しました。

事業所

BCSの本社と開発センターは大阪府泉佐野市の泉州銀行システムセンター内にあった一方、愛知県北名古屋市にはバックアップセンターが設けられていました。これにより、システムの運用体制を強化し、各銀行に安定したサービスを提供していました。

BCSの設立と解散は、地域銀行のITインフラにおける重要な変遷を象徴しており、特に大手システムプロバイダーへの依存度の高まりを示すものでした。地元銀行のニーズに応えつつも、業界の変動に伴い、最終的には市場環境の変化に適応しきれなかった結果として、解散に至ったのです。

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