バンクーバー国際空港

バンクーバー国際空港(YVR)



バンクーバー国際空港(Vancouver International Airport)は、カナダブリティッシュコロンビア州リッチモンドに位置する国際空港です。バンクーバー市街から南西に約15km、フレーザー川河口の中州であるシーアイランドの大部分を占めています。カナダの主要都市の中でもアジアに最も近く、アジア系移民が多いことから、アジアからの重要な玄関口として機能しています。

国際空港としては珍しく水上機定期便のターミナルを備えていることも特徴です。スカイトラックス社のワールド・エアポート・アワードでは、2010年から3年連続で北米地区1位を獲得し、2012年には世界9位にランクインするなど、高い評価を受けています。2019年の旅客数は2,637万人に達し、カナダ国内ではトロント・ピアソン国際空港に次ぐ第2位の規模を誇ります。

歴史


バンクーバーには元々ミノルパークに滑走路がありましたが、1930年に市が現在地を購入し、飛行場の建設が開始されました。第二次世界大戦中には連邦政府に貸与され、カナダ空軍の訓練基地として利用されたことで、その収入により敷地が拡張されました。1968年にはジェット機への直接搭乗が可能な現在のメインターミナルが完成し、1996年には国際線ターミナルが拡張され、北側の滑走路も完成しました。

ターミナル


国内線ターミナル

1968年に建設されたターミナルで、搭乗口はA1〜6、B11〜22、C25〜52の3つのブロックに分かれています。Aブロックは主にウエストジェット航空が、Cブロックは主にエア・[[カナダ]]が使用しています。Aブロックのボーディングブリッジは特殊な構造で、途中で二つに分かれており、機体の前方と後方の両方のドアから乗客が搭乗できるようになっています。航空会社や利用クラスに関わらず、有料で利用できるラウンジ(Plaza Premium Lounge)も設けられています。

国際線ターミナル

1996年に国内線ターミナルを拡張する形で建設されました。アメリカ合衆国への事前入国施設があり、アメリカ合衆国へ出発する旅客は他の旅客と動線が分けられているため、このエリアは「USAターミナル」(搭乗口E70〜96)と案内されることがあります。その他の一般国際線の搭乗口はD50〜D78ですが、一部の搭乗口は需要に応じて国内線やアメリカ合衆国線用に利用できるように、動線を区切ることができます。ここにも、有料ラウンジ(Plaza Premium Lounge)が設置されています。

南ターミナル

最も古いターミナルで、主に州内を結ぶ地域航空会社やゼネラルアビエーション向けとなっています。水上機ヘリコプターはこのターミナルを利用します。メインターミナルとは無料のシャトルバスで接続されています。搭乗口はG1〜3です。

就航路線


バンクーバー国際空港は、北アメリカ、中米・カリブ海、ヨーロッパ、アジア、オセアニアなど、世界各地への豊富な路線網を誇っています。

北アメリカ

カナダ国内の主要都市に加え、アメリカ合衆国の主要都市への直行便が多数就航しています。

中米・カリブ海

メキシコやカリブ海のリゾート地への便があります。

ヨーロッパ

フランクフルト、ロンドンアムステルダムパリチューリッヒなど、ヨーロッパの主要都市への直行便があります。

アジア

東京大阪、北京、上海、香港、台北、ソウル、マニラなど、アジアの主要都市への便が充実しています。

オセアニア

オークランドとシドニーへの直行便があります。

アクセス


スカイトレイン

スカイトレインの「カナダ・ライン(Canada Line)」がバンクーバーのダウンタウンまで約25分で接続しています。また、ブリッジポート駅で路線が分かれており、リッチモンド方面へ乗り換えることも可能です。料金は平日と土日祝日で異なり、空港からの乗車には割増料金が課せられますが、定期券や一日乗車券を利用することで免除されます。

路線バス

スカイトレイン同様、トランスリンクが運営しています。スカイトレインが運行しない深夜には夜行バスN10がダウンタウンまで運行しています。南ターミナルへはスカイトレインのブリッジポート駅から412番のバスが連絡しています。

長距離バス

Pacific Coach社がウィスラーやビクトリアへのバスを運行しており、Quick Coach Line社がシアトルへのバスを運行しています。

タクシー・リムジン

メーター制のタクシーや、行き先別固定料金制のリムジンサービスが利用できます。

事故


過去には、濃霧や乱気流、機体の不具合などにより、複数の航空事故が発生しています。これらの事故により、乗務員や操縦士の死亡事故も発生しています。2022年には、大雪のなか着陸した航空機が誘導路から外れて脱輪する事故も発生しました。

その他


国際線ターミナルとUSAターミナルの中間には、先住民族の伝説をモチーフにした像があり、旧20ドル紙幣にも描かれていました。

バンクーバー国際空港公式サイト

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