地域航空会社

地域航空会社、またはリージョナル航空会社は、主に小型旅客機を使用して、比較的近距離の2地点間を結ぶ航空会社です。かつてはコミューター航空会社とも呼ばれていました。

概要

地域航空会社の概念は、1978年にアメリカで航空規制緩和が行われたことがきっかけで発展しました。特に北米でその存在感を増しています。ヨーロッパでは明確な定義はありませんが、短距離を結ぶ航空路線を指して「リージョナル」と呼ぶことがあります。

日本では、2000年2月まで地域航空は「60席以下の飛行機による不定期航空輸送」と定義されていましたが、現在は「客席数100席以下かつ最大離陸重量50トン以下の航空機による定期旅客輸送」とされています。大型ジェット機に比べて出発準備時間が短く、山間部が多い日本では陸上交通よりも移動時間を大幅に短縮できるという利点があります。これらの利点を活かし、地域航空路線は拡大傾向にあります。

また、大都市から離れた島嶼部（東京都の八丈島や沖縄県の諸島など）を結ぶ地域航空会社も存在し、これらは生活路線としての役割も担っています。

航空機

地域航空会社が使用する中・小型の航空機は、ミニ・エアライナーやリージョナル機と呼ばれます。固定翼機では、滑走路が短い地方空港での運用に適したリージョナルジェットやターボプロップ機が用いられます。また、近距離や島嶼部ではヘリコプターも利用されます。

大型機市場を独占するボーイングとエアバスは、リージョナル機を製造しておらず、多くのメーカーがこの市場に参入しています。代表的な機体としては、エンブラエル ERJ175、ボンバルディア CRJ700、DHC-8-Q400、サーブ 340、ATR 42-600、シコルスキー S-76などが挙げられます。近年では、Mitsubishi SpaceJetやCOMAC ARJ21などの新規参入もあり、大型機市場に比べて競争が激しい状況です。

子会社化

北米では、大手航空会社が地域航空路線専門の子会社を設立したり、資本関係のない地域航空会社に自社路線の運航を委託することが一般的です。例えば、アメリカン航空のアメリカン・イーグル航空、ユナイテッド航空のユナイテッド・エクスプレスなどが挙げられます。これらの地域航空会社は、一般的に「ローカル担当」と呼ばれることがあります。

日本では、大手航空会社と地元自治体が共同出資して設立された会社も多く、現在、日本航空（JAL）グループ傘下の日本エアコミューター（鹿児島県）、北海道エアシステム（北海道）、琉球エアーコミューター（沖縄県）などが存在します。

第三セクター

日本においては、オリエンタルエアブリッジ（当時の長崎航空）や天草エアラインが第三セクターとして設立されました。

脚注

関連項目

地域航空会社の一覧
リージョナル旅客機
リージョナル旅客機の一覧
リージョナルジェット
地域航空サービスアライアンス

外部リンク

コミューター航空会社の発展と課題 - ウェイバックマシン（2014年10月24日アーカイブ分）

もう一度検索