バンズル

バンズル社：製紙業からグローバル卸売企業への変貌

バンズル（Bunzl plc）は、イギリス・ロンドンに本社を置く多国籍企業です。ロンドン証券取引所にも上場しており、世界30カ国以上に拠点を展開するグローバルな卸売・アウトソーシング企業として知られています。

歴史：馬小屋から世界企業へ

その歴史は古く、1854年、現在のスロバキアにあたるオーストリア帝国領ブラチスラヴァで創業されました。創業当初は馬小屋関連のビジネスを手掛けていましたが、1883年にはウィーンに移転し、製紙業へと事業を転換します。しかし、1938年には中欧地域の政治情勢不安を背景に、イギリスのロンドンへと本社を移転。1957年にはロンドン証券取引所に株式を上場しました。

事業転換とグローバル展開

1980年代に入ると、バンズルは事業ポートフォリオの見直しに着手。製紙業中心のビジネスモデルから脱却し、卸売業への転換を図ります。1981年にはアメリカ合衆国で卸売事業を開始し、1993年にはヨーロッパ地域にも進出。2002年には製紙事業を売却、2005年にはプラスチック・繊維製造事業を分割（現在のEssentra plc）することで、卸売業者としての体制を確立しました。

その後は積極的な買収戦略によってグローバル展開を加速させ、オーストラリアやブラジルなど世界各地の企業を買収。2015年にはカナダのPlanet Clean Inc.、2017年には中国のHsesf（上海和赛富安全科技有限公司）を買収するなど、その規模を拡大してきました。

現在の事業内容

現在、バンズルの卸売事業の中核は、ホテル、レストラン、スーパーマーケットなどに向けた食料品の卸売です。さらに、清掃用品や作業時の防護用品なども重要な品目となっています。売上高においては、アメリカ合衆国が最大の市場となっています。

まとめ

バンズル社の歴史は、19世紀半ばの小さな事業から、世界的な卸売企業へと成長を遂げてきた過程を示しています。積極的な事業転換とグローバルな買収戦略によって、多様な顧客ニーズに対応できる体制を構築し、現在も世界経済において重要な役割を果たしていると言えるでしょう。その企業活動は、時代に合わせて柔軟に変化し、常に成長を追求する姿勢を物語っています。今後の動向にも注目が集まります。

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