バーガーシティ

バーガーシティの歴史と特徴

バーガーシティは、日本における中堅のハンバーガーチェーン店であり、かつて大阪府豊中市を本社とし、主に近畿地方で多くの店舗を展開していました。1980年代前半から中頃にかけて急成長を遂げ、多くの鉄道駅前やテナントビル内に小規模店舗を多数開店していました。

このチェーンの特徴は、小面積の店舗に特化していた点です。フランチャイジーに対して、店舗の小ささが新たなビジネスモデルの可能性を示すものでした。そのため、店舗のサイズは非常に限られたものであり、接客カウンターすら5坪程度のものも存在し、実質的にはテイクアウト専門の形態が多かったのです。

特に、他の大手ハンバーガーチェーンが一個200円でハンバーガーを販売していた時代に、バーガーシティはなんと一個100円という信じられない価格で販売しており、この低価格帯は多くの注目を集めました。その結果、「百円満点、バーガーシティ」というキャッチフレーズを用いたテレビCMも活発に放送され、一時的には人気を誇りました。

しかし、1990年代に入ると、状況は一変しました。特に、マクドナルドなどの大手ハンバーガーチェーンがミニ店舗やロードサイド店舗を増やす動きがあり、コンビニとの競争も激化しました。さらに、円高やデフレの影響で大手チェーンが価格競争を仕掛けてきたため、バーガーシティのハンバーガーが相対的に割高に見えるようになってしまったのです。これにより、経営は次第に悪化し、1998年には倒産に追い込まれました。この倒産に伴い、加盟店からは補償金の返金がなく、不満の声が上がることとなりました。

倒産後も、一部の店舗は個人経営として営業を続けていきました。具体的には、大阪府堺市の白鷺駅前と兵庫県豊岡市の江原駅前に位置する店舗が存在していましたが、2018年の終わりには白鷺駅前店が店主の高齢化と後継者不在により閉店し、現在残っているのはサンロード店だけとなっています。

サンロード店について

サンロード店は、兵庫県豊岡市日高町に位置しています。2022年現在、この店がバーガーシティとして営業を続ける唯一の店舗です。元々は1987年に「但馬1号店」として開業し、但馬地域にはかつて10店舗展開されていましたが、1998年の本部倒産後、多くの店舗が閉鎖された中でこの店舗だけは独自の運営を継続することとなったのです。店主は本部に対して独自運営の許可を求め、理解を得ることで営業を継続することができました。

白鷺駅前店の閉店以降、サンロード店は唯一残るバーガーシティの店舗として存在感を示しています。また、白鷺駅前店のオーナーとも連絡を取り合っていたというエピソードもあり、チェーンの一時代を支えた店舗の一つとして今も地域に愛され続けています。

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